前回は、不動産の高値売却を実現する「売買タイミング」の見極め方を取り上げました。今回は、相続税対策としてのマンション購入で、留意すべき点を見ていきます。

資産の組み替えで、相続税評価額は2割下げられる

遊休地や郊外の空き家を積極的に処分して、首都圏にある利便性の高いマンションを購入することは、資産の有効利用としても、将来のさらなる増税に備えた相続税対策としても有効です。

 

保有資産のうち、現金・有価証券比率が高い資産家には特におすすめできます。

 

結論を先に言うと、こうした資産の組み替えで賃貸にすることで、相続税評価額を2割程度下げることができ、相続人の生活に余裕ができることとなります。

 

現金は、相続の際には現金の額そのままで評価されますが、不動産で所有すれば相続税評価額が下がります。土地については時価よりも2割以上も低い相続税路線価で評価され、かつ、建物についても実際の市場価値よりも2~3割以上低い固定資産額相当の評価になり、相続税の節税につながるということです。

 

この資産の組み替えは、これから人口が減少していくなかで極めて重要になります。地方や郊外の遊休地にはそもそも賃貸需要がなくなってしまう可能性が高いので、借金をしてまでアパート賃貸住宅を建築することは、非常にリスキーだと言わざるを得ません。

タワーマンションを利用した節税は見直しが必要に

2017年4月1日より、20階建て以上の高層マンションについて、高層階の固定資産税が引き上げになりました。相続税評価額についてもこれに準ずるものと考えられます。

 

いわゆるタワーマンションなどの居住用超高層建築物(高さ60メートルを超え、複数階に住戸がある建物)を利用した節税は、取引価格と評価額の差によるものでした。しかし固定資産税と相続税が見直されたことで、この4月1日より、高層階は取引価格と同じように評価額も高く、低層階は低くなり、上層階の大きな節税効果がなくなってしまいました。

 

これは、2017年以降に販売される新築マンションから適用されています。なお、既存の高層マンションの固定資産税・相続税は現行制度のままであるため、それ以前に売買された高層マンションの20階以上の市場価値は、逆に上昇することが予想されます。

 

20階以上の高層マンションは建築規制の緩和により、1999年から東京・大阪・名古屋の三大都市圏で急増し、すでに全国で1200棟を超えています。

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