「東南アジア」が海外不動産投資の対象として有望な理由

前回は、英国不動産市場に「ブレグジット」が及ぼす影響について取り上げました。今回は、「東南アジア」が海外不動産投資の対象として有望な理由を見ていきます。

「人口増加率」で国の成長性を見極めると・・・

海外不動産への投資をはじめる際、その検討事項は現地の家賃相場や法整備など多岐にわたります。そのなかでも特に注目したいのが、今後の成長性と人口増加率です。成長性には、対象となる国の経済と物件そのものの価値がありますが、まずは前者を確認するべきでしょう。

 

経済全体が成長している国は、その国のあらゆる市場の価格が上昇していきます。個別の商品の優越ではなく市場全体が底上げされるのです。したがって不動産価格や家賃も個別事情は抜きにして上がっていく――。つまり、ある程度どの物件を買ってもキャピタルゲインが得られ、失敗する確率が低くなるのです。

 

ただし、経済成長率が高ければ高いほど投資に向くわけではありません。例えば中国の2015年の経済成長率は6.9%です。同じくラオスは7.0%。ほとんど同等です。しかし、中国の名目GDP(国内総生産)は、ラオスの約880倍です。当然前者のほうが市場規模は大きく、投資で成功するチャンスも多いといえます。

 

また、経済成長率は直近の数字だけではなく、今後も安定して伸びていくかの見通しも重要です。2013年の経済成長率が29.3%で世界トップだった南スーダンは、その前年は内戦の影響でマイナス52%を超えていました。また、2014年は3%を切っています。このように経済状況が大きく上下する国への投資が非常に危険であることは誰の目にも明らかでしょう。

 

投資先の国の成長性を見極めるには、ある程度大きな市場規模と安定した経済基盤が不可欠であり、その2つをけん引するのが「人口の多さ」と「増加率」です。様々な商品を製造し、消費する人間が増えれば経済が成長するだけでなく、それらの人々が住む住宅の需要も増えます。したがって不動産価格、家賃ともに上昇するのです。

 

今後の成長性と人口増加率。その両方を満たすのは新興国しかありません。そのなかでも、ある程度大きな市場規模と安定した経済基盤が期待できる国となると、どこになるのでしょうか。もしかしたら、世界第2位の経済大国となった中国を思い浮かべる人がいるかもしれません。しかし、同国は共産主義国家なので、いつ、どのように国の方針が変わるか分かりません。これは最大のリスクです。さらにここ10年で急成長すると同時にインフラや不動産開発に沸きました。そのため住宅は、明らかに供給過剰となっています。

 

ところが同国はGDPアップのために開発の手を緩めていません。結果どうなったかというと、誰も住まないマンションが立ち並び、夜になると真っ暗な状態となるゴーストタウンがいたるところにできています。

親日的で人件費が安く、経済成長率の伸びが著しい

中国でなければいったいどこに投資をすればいいのか――。私は東南アジアの国々しかないと考えています。ここでは東南アジア = ASEAN(東南アジア諸国連合)として話を進めていきます。

 

同連合は東南アジア経済、社会、文化面での地域協力を目的とし、2002年にインドネシアから独立した東ティモール以外のすべて東南アジアの国が加盟しています。具体的にはタイ王国、マレーシア、シンガポール共和国、インドネシア共和国、フィリピン共和国、ブルネイ・ダルサラーム国、ベトナム社会主義共和国、ラオス人民民主共和国、ミャンマー連邦共和国、カンボジア王国の10か国です。その総人口は28か国からなるEUに比べて約5億人、カナダ・米国・メキシコの3か国で構成されるNAFTA(北米自由貿易協定)より約4億7000万人も多いのです。

 

[図表]ASEAN加盟国

 

GDP合計は2兆4000億ドル強なので、約17兆ドルのEUや20兆ドル弱のNAFTAより少ないものの、今後の成長余地や現時点で人件費が安いといった面で非常に潜在能力が高いといえます。特に日本企業にとっては親日国が多いことから、景気減速や人件費の高騰が懸念される中国に代わる生産拠点や新たな市場として期待される地域となっています。

 

ASEANのGDPは10か国合計で2兆4000億ドル強です。世界経済に占めるGDPの割合は約3.2%。決して大きいとはいえません。しかし、平均経済成長率は2001年から2013年までで11.3%(ミャンマーはデータがないので除外しています)。EUが6.0%、NAFTAが4.2%、そして世界平均が6.7%ですから圧倒的に高い数値となっています。

 

このように高いパフォーマンスを海外の国々が見逃すはずはありません。各経済域の海外からの投資額増加率を見ると、EUが47.1%増、中南米が248.4%、世界平均が132.5%であるのに対し、ASEANは558.3%とこちらも圧倒的高さを示しています(2000〜2013年)。

 

ASEANの国々は、世界的視野で見て可能性の宝庫なのです。特に日本人が不動産投資をするにはメリットとなる部分が多々あります。例えば、東南アジアの物件なら日本に近いために時差が少なく、突発的なトラブルにも電話などで迅速に対応可能です。

 

また、日本政府は東南アジアの国々に対するODA(政府開発援助)によって、道路整備などの様々なインフラ開発を行っています。そのため現地の人の日本人に対するイメージが非常にいい。つまり仕事がしやすいのです。さらに東南アジアの投資対象は、その国の首都など一等地になります。日本でいえば丸の内、表参道、六本木、横浜などです。したがって急成長している国のなかでも特に不動産価格が上昇する可能性が高い。逆にいえば失敗する可能性が極めて低いということです。

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連載安い・近い・成長力抜群・・・医師の資産形成にピッタリの「フィリピン・カンボジア不動産投資」

株式会社トライブ  代表取締役社長

1979年生まれ。東京の不動産投資会社にて、土地売買からアパート、マンション、ビル建設までを幅広く手掛ける。自らが考える不動産価値と収益を最大化する不動産物件を実現するため、2010年に㈱トライブを共同で設立。翌2011年、同社代表取締役就任。これからの高齢化社会では、不動産と医療は密接に連携すべきという持論の下、高収益と高付加価値を同時に実現する独自の不動産物件を多数手掛ける。自ら沖縄の医療法人にも助力し、倒産しかけた医療施設の再建に乗り出し、再生させた。また、新たな医療法人の立ち上げにも参画し、地域医療の活性化に努めている。著書に『なぜ医者は不動産投資に向いているのか?』『資産10億円を実現する 医師のための収益物件活用術』(いずれも幻冬舎)がある。

株式会社トライブホールディングス:http://trivehd.co.jp/

著者紹介

一般社団法人日本IFP協会理事
日本IFP協会Singapore、JIFPA(S)PTE LTD代表取締役
 海外不動産コーディネーター

現在は家族と共にシンガポール在住。シンガポールの富裕層へのコンサルティングや世界の金融商品に対する研究・開発活動。国内の大手精密機械メーカー海外営業部にて東南アジア・オセアニア地区のセールスマネージャーとして国際ビジネス第一線で活躍。帰国後、国内証券会社にて超富裕層及び高収益企業の決算対策・事業承継・株価対策・資産運用などを行う傍ら、国内外の金融商品の証券化等の業務を従事。海外での資産運用の重要性、ならびにその方法として航空機を用いた資産運用・税効果の優位性に気づき、航空機専門商社に転職。病院向けのドクターヘリ設置サポートなども行う。その後、一般社団法人日本IFP協会の代表理事に。現在、来日時は税理士法人や医師会を対象に、事業承継・株価対策・税金対策・資産運用の講演やコンサルティングを行っている。

著者紹介

海外不動産で資産を増やす! 医師のためのフィリピン・カンボジア投資

海外不動産で資産を増やす! 医師のためのフィリピン・カンボジア投資

大山 一也,織田 耕平

幻冬舎メディアコンサルティング

これまで医師のための不動産運用について様々なテクニックを紹介してきた著者が、更なる資産形成へのステップアップとも言うべき「海外不動産投資」のノウハウを公開。近年急成長を遂げるアジア新興国、なかでも注目のフィリピ…

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