前回は、先進国の不動産投資に「うまみ」が少ない理由を解説しました。今回は、英国不動産市場に「ブレグジット」が及ぼす影響について見ていきます。

グローバル企業の撤退で英国の不動産が「値崩れ」!?

前回の続きです。

 

ただし、現在のイギリスだけは別かもしれません。同国は2016年6月23日のEU(欧州連合)離脱を問う国民投票で、離脱派が過半数を超えました。この出来事は世界的な注目を集め、イギリス「Brit(Britain)」と離脱「Exit」を組み合わせて「Brexit(ブレグジット)」と呼ばれています。離脱派多数の一報によりイギリス国内は混乱を極め、ポンドの為替レートは大きく下落するという、政治的にも経済的にも大きなインパクトを世界に与えました。

 

今後EU離脱が正式に決まれば、イギリス国内に進出しているグローバル企業は、こぞって他のEU圏の国へ移転していくでしょう。なぜなら、イギリス国内で製造した製品をEU諸国に販売する際には関税がかかるようになるからです。その影響でイギリス不動産の多くは大きく値崩れする可能性があります。

 

長期的に見てイギリス経済が持ち直すようならば、当然EU離脱前後の不動産はかなりお買い得といえます。とはいえ、今のところイギリス経済が復活するかどうかは誰にも分かりません。すぐに手を出すのはギャンブルです。

 

有名大学を擁する「ケンブリッジ地方」は例外か

ところが、イギリス国内でギャンブルとは言い切れないエリアもあります。それは、ロンドンの北に位置するケンブリッジ地方です。

 

ケンブリッジといえば世界的に有名な大学都市です。ここではケンブリッジ大学と連携して研究を続ける企業が数多く進出しています。特に医薬品に関する研究が盛んで、日本トップの武田薬品工業やイギリスでナンバー2のアストラゼネカなどの施設があります。

 

今後のイギリスでは、多くのグローバル企業が関税の関係で移転していくはずですが、ケンブリッジに進出している多くの企業にとって関税は関係ありません。大学と連携して新薬を開発することが目的だからです。そのため移転もほとんど考えられません。

 

一方で、イギリスは為替レートが下がり、不動産相場の下落傾向もケンブリッジまで波及することが予測されます。つまり、満室が期待できる物件を割安で購入できる可能性が高い。今現在のイギリスはまだ様子見の状態ですが、ケンブリッジを中心に今後どのように推移していくか注視して損はないはずです。

 

 

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