今回は、長期投資で銘柄を保有する期間は実際どれくらいなのかを説明します。※本連載は、さわかみホールディングスの代表取締役で、日本における長期運用のパイオニアとして知られる澤上篤人氏の著書、『これが長期投資の王道だ』(明日香出版社)より一部を抜粋し、株式「長期投資」の極意を紹介します。

「途中で売ってはいけない」と信じている人も多いが…

よく尋ねられることに、「長期投資って、買った株をずっと持ち続けることですよね」がある。長期投資だから「途中で売ってはいけない、ずっと長期保有しなければ」と、固く信じている人が意外と多い。

 

それは誤解である。長期投資とはいうものの、値上がりしてきたらいつ売っても構わない。買って2カ月後であっても、堂々と売って投資収益を確保していい。

 

大事なのは、「長期のスタンスで投資するのだから、3年でも5年でも、平気で待ち続けてやるぞ」と腹がすわっていることだ。「3年でも5年でも、場合によっては10年だって待てるぞ」と思えるからこそ、暴落相場を平然と買えるというもの。

 

不思議なもので、「3年でも5年でも待ってやる」と腹を括ると、「ここで買うのも、もうすこし下値で買うのも、大して違わない」と思えてくる。そう大らかに構えるから、暴落相場でも案外と気楽に買いを入れられるのだ。

 

かなりアバウトな買い出動と思われるかもしれない。だが、後になってみると相当に下値近辺で買えて良かったというケースが多い。

 

暴落相場で大きく下がる局面は、年に2回~4回ぐらい訪れる。ドスーンと下がった後は底練り相場に入っていく。だから、ドスーンときた時どこかで買いにいけば、相当に安いところで買えるはず。

 

暴落相場が収まってしばらくすると、株価は戻りに入っていく。大きく戻るか小戻しに終始するかは、その時の経済情勢や投資環境による。

 

ともあれ、すこし戻るだけでも、思い切って買ったものは既に利が乗っている。そこのところは簡単にイメージできよう。

それほど待つことはないのが、長期投資の楽しいところ

とにかく、買う時は「5年でも10年でも、のんびりと待ってやりましょう」で、さっさと行動しておこう。実際には、それほど長期間も待つことはないのが、長期投資の楽しいところである。

 

やってみれば実感すること。1カ月後から3カ月後には「もう、いつでも売れる」株価水準になっているなんて、長期投資ではザラである。

 

したがって、1カ月後とか3カ月後に売っても構わない。あるいは、そのまま保有を続けてもいい。すくなくとも、暴落相場を買っておけば、意外と早く「いつでも利益を出せる状態」に達してしまう。一度でも、この快感を実体験すると、「長期投資って楽だよな」とつくづく思うはず。

これが長期投資の王道だ

これが長期投資の王道だ

澤上 篤人

明日香出版社

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