今回は、世界人口が増え続ける現代において、「長期投資」が有利となる理由を見ていきます。※本連載は、さわかみホールディングスの代表取締役で、日本における長期運用のパイオニアとして知られる澤上篤人氏の著書、『これが長期投資の王道だ』(明日香出版社)より一部を抜粋し、株式「長期投資」の極意を紹介します。

人々の生活という「大河の流れ」に乗るのが長期投資

長期投資の土壌って? 世界中の人々の毎日の生活と、それを支えてくれる企業の生産および供給活動のふたつが、世界経済のほとんどを形成している。まさに、そこが長期投資家の舞台である。

 

いまや地球上人口は74億人を越し、2050年には97億人に達しようとしている(国連の人口推計、中位値)。世界の人口は毎日、17万8000人ずつ増えていくのだ。

 

世界中で増え続けている人々が生きていく上で必要なエネルギーはじめ生活物資の需要は、将来に向けて膨れ上がる一途である。また、どの国の人々もより豊かな生活を求めてやまない。

 

エネルギーから食料・水・工業製品に至るまで、それらを生産し供給してくれる企業のビジネス活動には、どれだけ巨大な利益獲得チャンスが横たわっていることか。これが長期投資の土壌である。

 

いってみれば、「世界中の人々の生活という、大河の滔々たる流れ」に乗ろうとするのが、われわれの長期投資である。

 

大河の滔々たる流れは誰も止めることはできない。流れに棹さしても、大河の流量の巨大さには逆らえない。すぐさま流されるだけである。だから、長期投資はゆったりと大らかに構えるわけだ。

短期運用は「川面のざわめき」に過ぎない

一方、機関投資家の短期ディーリング運用も、オプションや先物取引あるいはヘッジファンドの運用も、しょせん大河の川面のさざ波でしかない。風向きによっては、大河の流れの水面が荒れ狂うことはある。そういったさざ波をとらえて利ザヤを稼ごうとするのが、世のディーリングや短期運用である。

 

水面に立つさざ波を相手に、オプション取引やデリバティブ取引でどれだけ暴れたところで、さざ波を荒ぶっているだけのこと。世界経済の大きな流れからみれば、川面のざわめきにすぎない。

 

長期投資家にとっては、どうでも良いことである。

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