書籍『戦略的アメリカ不動産投資』から何が学べるのか?

~株式会社オープンハウス ウェルス・マネジメント事業部 井上由美子部長に聞く

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株式会社オープンハウス
書籍『戦略的アメリカ不動産投資』から何が学べるのか?

日本でも人気の高いアメリカ不動産投資の魅力を改めて整理し、具体的な投資術まで踏み込んだ新刊『戦略的アメリカ不動産投資』。本連載では、著者である、株式会社オープンハウス ウェルス・マネジメント事業部の井上由美子部長に、『戦略的アメリカ不動産投資』を執筆した狙いなどを聞いていく。今回は、本書から何が学べるのか、そのポイントを伺った。

エリアの絞込みにあたって「年収倍率」に注目した理由

――『戦略的アメリカ不動産投資』のなかで、特に注目してもらいたいところはありますか?

 

井上 基礎から応用編まで網羅したところでしょうか。アメリカの不動産市場の特性として、中古物件も値上がりを続けていて、取引の透明性が高いといったことは、さまざまな投資本でも語られているところです。しかし、アメリカの国土は日本の約25倍で、西部と東部では気候も文化も慣習も異なります。当然、不動産価格もエリアによってまちまちです。

 

そのため、せっかくのアメリカ不動産投資で失敗しないように、具体的なエリアの絞り込み方については詳細に取り上げました。さらに、私が特に注目するエリアの具体的事例も紹介しています。それが、テキサス州のダラスとオハイオ州のコロンバスです。

 

 

安定的なリターンが得られるエリアには特徴があります。人口が増えていて、交通アクセスがよく、優れた教育機関があるんです。人口が増えれば不動産需要は高まり、家賃も価格も上がっていきます。交通アクセスがよく、優れた教育機関があるエリアにはビジネスマンもファミリー層も集まりやすく、経済活動が活発になりやすいのです。

 

その典型は、全米で最も人口の多いカリフォルニア州のロサンゼルスやサンフランシスコでしょう。世界各国の主要都市から直行便が飛んでおり、同州にはスタンフォード大学やカリフォルニア工科大学などの超有力校があります。シリコンバレーには世界中からエンジニアが集まり、人口は右肩上がり。不動産価格は高騰しています。

 

――ただ本書では、カリフォルニアにはあまり紙幅を割いていませんね。

 

株式会社オープンハウス
ウェルス・マネジメント事業部 部長
井上 由美子氏
株式会社オープンハウス
ウェルス・マネジメント事業部 部長
井上 由美子氏

井上 投資という観点から言えば、少々高すぎるんです。木造の一戸建てを買おうと思ったら、7,000万~8,000万円はしますからね。もっと投資対象として魅力的なところはないか、というわけで、私はひと手間加えてダラスとコロンバスにエリアを絞り込みました。

 

注目したのは、平均的な住宅価格の「年収倍率」です。そのエリアの住宅価格が地元の方々の世帯年収の中央値の何倍か? ということをリサーチしたのです。その年収倍率を見ると、ニューヨークは11倍、ロサンゼルスは14倍です。一方で、コロンバスは3倍台、ダラス近郊のプレイノも3倍台。それだけ、地元の方でも手が届きやすい価格帯なのです。

 

――なぜ、年収倍率が重要?

 

井上 アメリカの不動産投資のメリットを語るうえで、現段階では税効果の話は外せません。日本の不動産の価値はだいたい土地80%・建物20%の割合ですが、アメリカは土地20%・建物80%というケースが少なくありません。建物価値が高いので、減価償却できる金額が大きくなり、ここで大きな税効果が期待できるわけです。築22年以上の木造物件なら4年償却となりますから、保有して5年を超えてくると次の不動産に乗り換えるという方が少なくないのです。この5年後以降の出口戦略を考えると、年収倍率の低いエリアがやはり有利になります。地元の方も手が届く価格帯なので買い手が見つかりやすく、その分、値下がりリスクを抑えることができるというわけです。

リスクや課題を洗い出すとともに具体的な解決策を提示

――本書ではさまざまなリスクについても言及されていますね。

 

井上 私が保守的な人間なもので(笑)。ただ、リスクや課題に言及するだけでなく、その具体的な解決策もご紹介させてもらったつもりです。例えば、オープンハウスのグループ企業であるアイビーネットのローンを活用する方法。アメリカの銀行は、なかなか外国人に融資してくれません。かといって、日本の銀行もアメリカの不動産の購入資金となると、なかなか融資してくれませんし、融資が受けられたとしても金利が高くなります。先ほども触れたとおり、海外の不動産を担保に取れないからです。しかし、アイビーネットは銀行でなく貸金業者であるため、アメリカの不動産を担保に融資できるのです。連帯保証人等は不要で、金利は3.8%からとなっています。返済も利払いのみですから、特に税効果を狙った投資をされる方には使い勝手のいいローン商品でしょう。

 

 

――購入したあとのリスクも気になるところです。

 

井上 おっしゃるとおり、アメリカの不動産投資には管理のリスクもつきまといます。気をつけたいのはやはり管理会社の問題でしょう。日本から目が届かないのをいいことに、客付けを行わず、空室のまま放置する。毎月の家賃収入の一部を固定資産税の支払い用に積み立てていたはずなのに、それがなくなっていた……などトラブル事例はさまざまです。

 

そのため、オープンハウスでは、購入者と管理委託契約を結んで、オープンハウスが現地の管理会社をコントロールするようにしています。そもそも、日本の投資家がアメリカの管理会社を直接コントロールするのは至難の業です。時差があるので、現地から連絡が入るのは深夜となりがち。直接契約をすれば身をすり減らすだけです。だからオープンハウスでは一定の裁量権をいただいて、管理会社を管理するようにしているのです。

取材・文/田茂井 治 撮影/永井 浩 
※本インタビューは、2017年9月11日に収録したものです。

戦略的アメリカ不動産投資

戦略的アメリカ不動産投資

井上 由美子

幻冬舎メディアコンサルティング

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