「債務及び葬式費用の明細書」と「相続税の計算書」の記入法

今回は、「債務及び葬式費用」の明細書と「相続税の計算書」の記入法について解説していきます。※本連載は、税理士の松本 繁雄氏の著書、『相続・贈与の実務 法務から税務対策まで』(経済法令)の中から一部を抜粋し、相続税額の計算方法や、相続税申告書の作成方法などをご紹介します。

債務の「種類・細目」欄は、5つの区分に従い記入

前回の続きです。

 

(6)明細書第13表 債務及び葬式費用の明細書

 

[図表1]債務及び葬式費用の明細書

 

この表は、第11表によって計算した各人の取得財産の価額の合計から、差し引くことのできる債務の金額と葬式費用の額を計算するために使用します。この表の債務の「種類」と「細目」欄は、次の区分に従って記入します。

 

①公租公課・・・所得税、市区町村民税、固定資産税などの税目およびその年分を記入します。

②借入金・・・当座借越、証書借入、手形借入などの借入種類を記入します。

③未払金・・・未払金の発生原因別に、購買未払金、土地未払金と記入します。

④買掛金

⑤その他・・・その債務の内容を記入します。

 

「葬式費用の明細」欄には、葬式費用の支払先ごとに支払金額、支払年月日を記入します。

 

「負担することが確定した葬式費用」欄には、葬式費用を誰がいくら負担するかが決まっている場合に記入し、負担する者が決まっていないときは記入しなくてもよいことになっています。

 

「負担することが確定していない債務」および「負担することが確定していない葬式費用」欄には、債務および葬式費用のうち各人の負担額が未確定の部分について、各相続人が相続分(民法900条~902条の規定による相続分をいう)に応じて負担するとした場合に計算される各相続人の金額を記入します。

 

(7)申告書第1表 相続税の申告書

 

[図表2]相続税の申告書

 

申告書第1表および第1表(続)は、明細書第9表から第14表までに記入した金額に基づき、各人ごとの課税価格の計算から各人の納付税額までを計算するために使用します。

 

この表は次の順序で記入しますが、各欄の記入方法は、明細書および申告書の各表に記載された金額を転記するだけのものであり、比較的簡単ですので、ここでは説明を省略します。

 

① 課税価格の計算(①~⑥)

② ⑦欄の相続税の総額の計算

③ 各人の算出税額の計算(⑧~⑪)

④ 各人の納付・還付税額の計算(⑫~㉘)

 

なお、この欄は、申告書第2表から第8表までの計算をした後に記入します。

計算書は「相続放棄の有無」に関わらず記入を

(8)計算書第2表 相続税の総額の計算書

 

[図表3]相続税の総額の計算書

 

この表は、相続税の総額を計算するために使用します。法定相続人欄には、相続放棄をした者がいた場合でも、相続放棄がなかったものとした場合の相続人の氏名を記入します(書籍『相続・贈与の実務 法務から税務対策まで』第1編第1章第2節「9 法定相続人」参照)。

 

「第1表の「相続税の総額⑦」の計算」欄は、相続財産を通常の評価額により評価した場合の課税価格の合計額を基として計算し、「第3表の「相続税の総額⑦」の計算」欄は、農地を農業投資価格で評価した場合の課税価格の合計額を基にして計算します。

 

(9)計算書第3表 財産を取得した人のうちに農業相続人がいる場合の各人の算出税額の計算書

 

[図表4]財産を取得した人のうちに脳表相続人がいる場合の各人の算出税額の計算書

 

この表は、被相続人から相続や遺贈により財産を取得した者のうち農業相続人がいる場合に、その被相続人から相続や遺贈により財産を取得したすべての人の算出税額を計算するために使用します。

 

(10)計算書第8表 外国税額控除額・農地等納税猶予税額の計算書

 

[図表5]外国税額控除額・農地等納税猶予税額の計算書

 

「農地等納税猶予税額」欄は、農業相続人に該当する者が相続税の納税猶予の適用を受ける場合の納税猶予額を計算するために使用します。

本連載は、2017年6月24日刊行の書籍『相続・贈与の実務 法務から税務対策まで』(経済法令研究会)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載事例で学ぶ相続税額の計算&相続税の申告手続き

昭和30年早稲田大学政治経済学部卒業。
農林中央金庫勤務を経て、昭和50年税理士試験合格、税理士登録。

著者紹介

相続・贈与の実務 法務から税務対策まで

相続・贈与の実務 法務から税務対策まで

松本 繁雄

経済法令研究会

相続税は、平成27年度の税制改正に伴う、納税者の大幅増加と租税回避への動向に効果的に対応する観点から、平成29年度の改正では、①相続税・贈与税の納税義務の見直し、②財産(土地、株式等)の評価方法の適正化、③物納…

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