前回に引き続き、女性の薄毛(脱毛症)には、どのような種類や症状があるのかを見ていきましょう。今回は、「薬剤性脱毛症」の概要を説明します。

薬の副作用で起こり得る「薬剤性脱毛症」

●薬剤性脱毛症

 

「薬剤性脱毛症」とは、薬の副作用で起こり得る脱毛症で、「成長期脱毛」と「休止期脱毛」に分類されます。

 

「成長期脱毛」を起こす薬剤は抗がん剤です。抗がん剤は、細胞の細胞分裂を妨げる働きを持っています。しかし、がん細胞だけを標的にできない場合が多く、同時に体の他の細胞や毛根(毛母細胞)に対しても同じように細胞分裂を妨げ、作用してしまいます。そのため副作用として脱毛症を発症するのです。

 

そもそも毛母細胞は、体の他の細胞と比べて最も活発に細胞分裂をする細胞のひとつです。そのため抗がん剤の影響を受けやすく、細胞死(アポトーシス)を起こしてしまい、脱毛が生じるわけです。

いくつかの薬剤は「休止期脱毛」を引き起こす場合も

ちなみに、抗がん剤の脱毛の副作用は頭髪だけでなく、眉毛やまつ毛にも及びますが、これらの部分の毛は頭髪に比べて成長期毛が少ないため、大半の場合、脱毛が目立たずにすみます。なお、抗がん剤の副作用によって脱毛しても、薬の投与終了後には髪は速やかに再生されます。

 

一方、「休止期脱毛」は、薬の影響で休止期の髪の毛の割合が増えたり、成長期の期間が短くなったりするものです。「休止期脱毛」を引き起こす薬剤は非常にたくさんあり、代表的なものとしては、ワーファリンやインターフェロン製剤などです(以下の図表を参照)。

 

[図表]休止期脱毛を引き起こし得る薬剤

 

こうした薬剤の場合、投与してから脱毛が始まるまでに長い期間がかかることが多く、そのために原因となった薬剤を見つけることが難しいのが特徴です。ただし、その薬の投与が終了すれば脱毛は治まります。

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