生前贈与で「低解約返戻金型の終身保険」を活用する理由

親が子供に贈与を行ったとき、基礎控除額として年間110万円までは原則非課税になります。今回は、この制度と保険を活用した「子や孫のための資産形成スキーム」について見ていきましょう。

子どもが5人いれば年間550万円の非課税贈与が可能

親が子どもなどに贈与を行ったとき、基礎控除額として年間110万円までは原則非課税になります。110万円を超える分については贈与税が課されます。

 

相続資産を減らすためには、毎年110万円ずつでもコツコツと子どもに資産を移していくことが一般的な手法です。子どもが5人いれば合計550万円を非課税で贈与していくことができるわけです。

 

ただ、このように現金で渡してもよいのですが、さらにその贈与を受けた110万円で子ども名義の「低解約返戻金型の終身保険」に入り、資産形成をするという手法がよく行われています。

 

●契約者・・・子ども

●被保険者・・・親

●死亡保険金受取人・・・子ども

 

契約者は子どもで、保険料は親から贈与された110万円の範囲内で、年払い110万円×10年で支払いが終わるように設計したとすると、10年後には元本がやや増えて戻ってくるので、ただ預金としておいておくよりもお得です。

 

親が亡くなれば、死亡保険金が親の年齢によって1100万~1600万円ほど入ってきます。契約上は「子どもが支払い、子どもが受け取る」という形になっているので、受け取る死亡保険金から、すでに払い込んだ保険料と特別控除額50万円を差し引いた金額の50%が子どもの一時所得の課税対象額となります。一時所得は実質税率を25%程度におさえることができるため、これも節税の一つの手段となります。

 

ただし、被保険者である親が医的診査等で引っかかり、保険に入れない場合もあります。そのときは被保険者を子どもとし、給付金の受取人を孫にするといった方法も考えられます。

 

なお、贈与は相手が親族以外の第三者でも問題ありません。親族以外の第三者にお金を渡したい場合にも、この保険を用いた方法を行うことができます。ただし、契約者を親族以外の第三者にしたとしても、親族ではない経営者が被保険者になることはできないので、注意が必要です。

 

なお、すでにご存じかと思いますが、親から子に贈与を行う場合は、

 

●贈与契約書を毎年作成する

●親が子どもの預金口座など資産を自由に管理しない

●親が贈与した金額分を自身の生命保険料控除として利用しない

(参考)国税不服審判所 昭和59年2月27日裁決事例・事務連絡 昭和58年9月

 

など、贈与の事実をしっかり残すようにしましょう。

高額な相続税と比較すれば・・・

ここまでは、贈与の非課税枠110万円の範囲内で保険を活用するという視点で話を進めてきました。しかし、親の資産がかなり多い場合、「毎年110万円内で贈与するだけでは、相続までに資産の大部分を手元に残すことになってしまう」というケースもあるでしょう。

 

そんなときは、あえて贈与税を最低限支払いつつ、より多くのお金を贈与にすることをおすすめします。たとえば、「年に300万円くらいは贈与したい」というのであれば、平成26年12月31日までの場合、年間の贈与を310万円に設定すると、控除などを差し引いた後の贈与税は20万円となり、税引き後の手取りは290万円となります。ちなみに310万円にしたのは、税率計算上キリがよく、効率的に税額を抑えられる金額だからです。

 

[図表]贈与税早見表

 

この場合、たとえ20万円のコストがかかっても、相続時により高い税率で高額の相続税をとられることを考えれば、その負担額は安いものです。

 

「310万円ではまだ足りない」という場合は、贈与額をもっと増やしてもかまいません。たとえば、税率計算上でベターとされる年間470万円の贈与を考えてみましょう。470万円を贈与すれば、単純贈与税率は20%なのですが、控除などを差し引くと、税率は実質10%となり、贈与税額は47万円ですみます。年に47万円支払って、これだけの資産を贈与できると考えれば、検討する価値は十分にあるといえます。

本連載は、2014年4月21日刊行の書籍『法人保険で実現する究極の税金対策』から抜粋したものです。
本資料は、一般的な生命保険活用スキームを示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投信元本の利回り等を保証するものではございません。また、本連載は、2014年4月1日現在の法令等に基づいて作成しており、今後変更される可能性もございます。

GTAC(吉永 秀史)

GTAC(ジータック)とは株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/

著者紹介

連載「法人保険」で実現する究極の税金対策

法人保険で実現する究極の税金対策

法人保険で実現する究極の税金対策

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

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