相続人に「農業相続人」がいる場合の相続税の計算・申告事例

今回は、相続人に「農業相続人」がいる場合の相続税の計算・申告事例をご紹介します。※本連載は、税理士の松本 繁雄氏の著書、『相続・贈与の実務 法務から税務対策まで』(経済法令)の中から一部を抜粋し、相続税額の計算方法や、相続税申告書の作成方法などをご紹介します。

相続税総額の按分割合の計算式

(1)相続税の総額の按分割合(申告書第3表⑧)

 

①花子……173,164千円÷395,714千円=0.4375→0.438

 

②一郎……54,350千円÷395,714千円=0.1373→0.137

 

③良子……30,000千円÷395,714千円=0.0758→0.076

 

④平夫……123,200千円÷395,714千円=0.3113→0.311

 

⑤明夫……15,000千円÷395,714千円=0.0379→0.038

(注)按分割合は、小数点以下2位未満の端数がある場合には、四捨五入等を行って全体が1.00になるように調整することができます。本問は、各人の取得金額の格差が大きいため、特に小数点以下3位までに引き下げます。

 

(2)各相続人等の算出相続税額(申告書第3表⑨)

 

①花子……75,714,000円×0.438=33,162,732円

 

②一郎……75,714,000円×0.137=10,372,818円

 

③良子……75,714,000円×0.076=5,754,264円

 

④平夫……75,714,000円×0.311=23,547,054円

 

⑤明夫……75,714,000円×0.038=2,877,132円

農業相続人の算出税額の申告書への記入例

(3)農業相続人の納税猶予の基となる税額

 

①相続税の総額の差額(申告書第3表⑩)

 

②農業投資価額超過額(申告書第3表⑪)

イ:花子……120,000千円-6,400千円=113,600千円

 

ロ:一郎……168,000千円-12,600千円=155,400千円

 

③各人への按分額(申告書第3表⑫)

 

(4)農業相続人の算出税額(申告書第3表⑬)

①花子……33,162,732円+40,613,604円=73,776,336円

 

②一郎……10,372,818円+55,557,695円=65,930,513円

 

[図表]申告書第3表

 

本連載は、2017年6月24日刊行の書籍『相続・贈与の実務 法務から税務対策まで』(経済法令研究会)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載事例で学ぶ相続税額の計算&相続税の申告手続き

昭和30年早稲田大学政治経済学部卒業。
農林中央金庫勤務を経て、昭和50年税理士試験合格、税理士登録。

著者紹介

相続・贈与の実務 法務から税務対策まで

相続・贈与の実務 法務から税務対策まで

松本 繁雄

経済法令研究会

相続税は、平成27年度の税制改正に伴う、納税者の大幅増加と租税回避への動向に効果的に対応する観点から、平成29年度の改正では、①相続税・贈与税の納税義務の見直し、②財産(土地、株式等)の評価方法の適正化、③物納…

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