あのゴミ屋敷が・・・ビフォーアフターで見るバリューアップ事例

競合ひしめく不動産市場で、中古物件のみならず、「訳あり物件」までもバリューアップして売り出す事業を展開、注目を集めるのが日翔レジデンシャル株式会社である。本連載では、同社の後藤正樹社長が手掛けた「訳あり物件」のバリューアップ実例を紹介する。

バリューアップにより仕入の倍額で売却できた物件も

――日翔レジデンシャルが、さまざまなトラブルを抱えた物件をバリューアップしてきたノウハウや背景について伺ってきました(前編 後編)。その具体的な実例を紹介してくれないでしょうか?

 

写真① 畳(ビフォー)
写真① 畳(ビフォー)
写真② トイレ(ビフォー)
写真② トイレ(ビフォー)
写真③ キッチン
写真③ キッチン(ビフォー)

後藤 では、最近手がけた横浜の“ゴミ屋敷”の例を紹介しましょう(写真①②③)。この物件は駅から徒歩10分の好立地で、築古の再建築不可の戸建てなのですが、買い取りを打診された部屋はゴミで埋もれて床材が軒並み腐っていました……。トイレも風呂もゴミだらけで、配管も腐ってしまい、水漏れも激しかった。聞けば、入居者は近くの公園まで行って用を足していたようです。写真を見ればわかるように、ごく一部の畳が綺麗に残っていますので、そこで入居者は寝ていたのでしょう。

 

――写真からも悪臭が漂ってきそうです……。

 

後藤 おっしゃるように、かなりの刺激臭が充満していました。おまけに、ゴキブリだらけ。当社ではこの物件を相場の8分の1ほどで買い取り、まずは50万円かけて、外部の清掃業者にゴミの撤去を依頼しました。余談ですが、上り下りに階段を使わざるを得ない物件のゴミの撤去費用は70~80万円ほどに跳ね上がります。こういった訳あり物件を扱っているうちに、そんな相場観まで身についてしまいました(苦笑)。

 

――リフォームにはいくらかかったのでしょうか?

 

 

写真④ 畳(アフター)
写真④ 畳(アフター)
写真⑤ トイレ(アフター)
写真⑤ トイレ(アフター)
写真⑥ キッチン(アフター)
写真⑥ キッチン(アフター)

後藤 300万円近くかかりました。床材、壁紙を張り替えるのは当然とはいえ、配管の交換やトイレ・お風呂のリフォーム(写真④⑤⑥)も不可欠だったので、これだけの金額になってしまいましたが、最終的にかかった原価の倍以上の金額で売却することができました。

 

――すぐに買い手は見つかったのですか? 元ゴミ屋敷と聞くと、買うのに躊躇してしまいそうですが……。

 

後藤 最寄駅から徒歩10分の戸建てなので、綺麗にしたらすぐに買い手は見つかりました。ゴミもなくなって、はじめは喜んでいたんです。しかし、思わぬトラブルがありました。というのも、ゴミを綺麗にして、ゴキブリも駆除すると、そこにいた虫たちが近隣に散らばってしまって……「おたくのせいで、ゴキブリが大量に出た」というクレームが何件も入ったのです。

 

――それはゴミ屋敷ならでは後日談ですね……。原価の倍以上の値段で売却できたのがせめてもの救いでしょうか。

 

後藤 ただ、50%もの利ザヤが稼げるのは稀です。最近扱った、東京・江戸川区のマンションは1棟まるまる仕入れて、1800万円近くかけてリフォームをして売却しました。古めかしいエントランスも現代風にリニューアルしたのですが、手間と時間を考えると利益率の小さい物件でしたね。

 

この他にも、仲介手数料ほどしか利益がなかったケースもありますし…。物件を買ってリスクをとるより、仲介の方がよかったかも知れませんよ(笑)。

 

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「地域を活性化」させるようなバリューアップとは?

――高値で売る秘訣のようなものはあるのでしょうか?

 

写真⑨ 床(ビフォー)
写真⑦ 床(ビフォー)
写真⑩ 床(アフター)
写真⑧ 床(アフター)

後藤 テナントをつけて売る、というのが当社の手法ですね。東京・練馬区の駅から徒歩15分以上かかる物件は、仕入れ値は300万円でリフォームに200万円かかりました(写真⑦⑧)。それを「ペット可」物件として入居者をつけたのち、1000万円弱で売却することができました。これはアパートのバリューアップに成功した例ですが、戸建てなら「大型犬可」とするケースもあります。

 

都内は非常にペット可物件が限られているので、これだけで入居者がつきやすくなります。おまけに、一度入居したらペット可物件は少ないから簡単には出ていかない。おのずと、安定的に賃料が入ってくるので、投資用物件として購入を希望される人も増えるんです。実際、練馬区の物件は築古物件にもかかわらず、周辺相場と変わらない家賃設定で11%の利回りを維持しています。あとは、地域を活性化させるようなバリューアップを心がけることでしょうかね。

 

――具体的には?

 

写真⑪ テナント(ビフォー)
写真⑨ テナント(ビフォー)
写真⑫ テナント(アフター)
写真⑩ テナント(アフター)

後藤 最近仕入れた物件の1つは、商店街の一角にある7件のテナントが入った古めかしいビルでした(写真⑨)。創業何十年の和菓子屋や焼き鳥屋、スナックなどが入っているのですが、どれも外観はお世辞にも綺麗とは言えない状況でした。その商店街も“シャッター通り”と化していて、非常に暗い……。

 

そこで、まずは外観をシックな色に塗り替えて、当社の費用負担で焼き鳥屋さんの看板なども新品のものに付け替えたんです。お店のシャッターもカラフルな色合いにしました。そうしたところ、その一区画が華やかになって、人通りも増え、テナントさんはもとより、近隣住民にも喜ばれる物件になったのです(写真⑩)。

 

――それは訳あり物件ですか?

 

後藤 いや、訳ありではありませんが、なかなか買い手がつかず、当社に回ってきた物件です。このほかにも、湘南のマンションは海の近くという立地のよさを最大限に生かすため、エントランスを入ってすぐの場所にシャワーブースをつけて、ウッドデッキを設置したところ、11室中5室空いていたものが瞬く間に埋まって、高値で売却することができました。このようにアイディア次第で、買い手がなかなかつかない物件を魅力的な物件に生まれ変わらせることが可能なのです。これは訳あり物件も厭わず、取り扱ってきた当社ならではのノウハウでしょう。

 

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取材・文/田茂井 治 撮影(人物)/永井 浩 
※本インタビューは、2017年8月28日に収録したものです。

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  • 【第1回】 あのゴミ屋敷が・・・ビフォーアフターで見るバリューアップ事例NEW

日翔レジデンシャル株式会社 代表取締役

売買、仲介、プロパティマネジメントなどトータルな不動産事業を展開する日翔レジデンシャル株式会社代表。大学卒業後、飲食業からOA機器販売、水商売など転職と引っ越しを15回繰り返し、自然と東京の土地勘を身に付けた。

著者紹介