今回は、ミスをしてしまった社員から「正直な告白」を引き出す方法を説明します。※本連載は、未然防止研究所代表、ニュートラルベースNLP®認定マスタープラクティショナーとして、各種トラブルの未然防止の普及に取り組む林原昭氏の著書、『なぜあなたはいつもトラブル処理に追われるのか』(合同フォレスト)より一部を抜粋し、社内におけるトラブルを未然に防ぐ「現場目線」の3ステップの対策を紹介します。

出荷直前に検査ミスが発覚した、100個以上の商品

ある日の18時ごろ、製造現場で出荷前検査を担当しているAさんが上司にこう言いました。「すみません。検査NG品を誤って箱に入れてしまったかもしれません。もう一度検査のやり直しをさせてください」

 

すでに完成品の箱は100個以上出荷場にあり、明朝8時にはトラックで顧客のもとに配送することになっていました。1箱の検査時間は10分以上かかります。1人では明日の出荷時刻に間に合いません。

 

そこで上司は急遽応援者を2人選び、自らも指揮をとりながら検査に加わって、再検査を開始しました。その結果、検査NG品を発見し、翌朝の出荷に何とか間に合わせることができました。

「正直に検査ミスを告白してくれました」と拍手を…

翌日の朝礼の際、上司は全員の前でこう言いました。「Aさんが正直に検査ミスを告白してくれました。再検査は大変だったが、2人の応援者の献身的な協力で何とかお客さんに不良品を届けることなく、顧客クレームを未然に防ぐことができました。Aさんの勇気ある告白に、敬意を表して皆さんで拍手をしましょう」

 

さらに続けて、「今回の検査ミスについて、Aさんは私から注意するまでもなく大いに反省しています。今後、同じような検査ミスが起こらないように、今回の再発防止と将来のために未然防止を実行するので協力してもらいたい」

 

正直な告白で、顧客クレームを未然に防ぐことができた一例です。

 

【注記】もちろん、Aさんに対する注意は上司が個別に行っています。本人のプライドを傷つけるので、決して大勢の前で注意しないようにします。

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