前回は、「シニア人材」の有用性を探りました。今回は、活用を検討する企業として知っておきたい「シニア人材」の特徴について解説します。

若手社員やミドル層と同様に考えてはダメ

シニア人材の活用には多くのメリットがあります。そしてシニア人材のメリットを受けるためにまず知っておくべきなのは、若手社員やミドル層(35~55歳)と同じように考えないことです。

 

私自身、若い頃のように体が動くわけではありませんし、視力も落ち、記憶力も低下しています。それがどのような状態なのかは、実際に自分がシニア世代になってみないと分からないものです。

現役世代とシニア世代の「相互理解」が重要

シニア人材を雇用している企業では、彼らに業務を何度教えても覚えられないのでつい現役世代が怒鳴りつけてしまい、シニア人材がショックを受けて悔し泣きをするという例もあるといいます。

 

シニア側はいい加減な姿勢で仕事に取り組んでいるのではなく、むしろ必死に覚えようとしています。それでも、体の変化でどうしても現役世代と同じようにできない部分があるのです。

 

私は、現役世代がシニア人材のこういう面を知ることは、決してマイナスにならないと思います。核家族化が進み、今は地方でも、高齢者と若者との接点は減っています。高齢者がどのようなことに弱く、どのようなことに強いのかを知ることは、すべての世代にとって必ず役立ちます。親の介護の問題にも直結するでしょう。

 

シニア世代と現役世代が分かりあえるようになれば、とかくギスギスしがちな世の中も、もっと明るく生きやすくなるのではないでしょうか。

 

次回からは、私が感じているシニア人材のメリットについてご紹介します。

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    本連載は、2017年5月29日刊行の書籍『シニア人材という希望』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    シニア人材という希望

    シニア人材という希望

    中原 千明

    幻冬舎メディアコンサルティング

    超高齢社会の到来とともに、日本人の働き方は大きく変わる――。 都市銀行でマネジメント職を歴任。定年後に起業し、多数のシニア人材を雇用する経営者が語る“新しい労働の在り方"とは? 2013年4月1日、高年齢者雇用安定…

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