「緑内障」との診断後、あえて経過観察の期間を設ける理由

前回は、緑内障の治療法について紹介しました。今回は、「緑内障」と診断された後、あえて経過観察の期間を設ける理由を見ていきます。

治療開始の前に、まずは「詳しい検査」が必要

緑内障と診断されたら、これから長い間付き合っていくことになります。そのためには、自分の緑内障の性質をよく知ることからはじめる必要があります。

 

もっとも眼圧が高い値はいくつなのか、眼圧が高い時間帯はいつなのか、などを検査でよく調べ、医師と一緒に適切な治療方針を立てます。また緑内障の症状が進行するか、進行しないかを判定するために、あえて治療をしない期間を設けて経過をみることもあります。

 

なぜすぐに治療をはじめないのかというと、薬によって眼圧を下げることは簡単ですが、人によってさまざまである緑内障の性質をはっきりと見極める前にむやみに眼圧を下げてしまうと、症状の進行を早めてしまう間違った判断を下してしまう場合があるからです。そうしたことを防ぐためにも、詳しい検査をしてから治療をはじめていく必要があるのです。

病気と向き合い、適切な治療とセルフケアを大切に

怖がらせるつもりはないのですが、緑内障は治療したから治るという病気ではありません。眼圧の上昇によって傷つけられた視神経は残念ながらよくなることはないのです。

 

薬や手術によって眼圧が正常値内に安定し、視野の欠損など視神経の障害が進行しなくなれば一時的に治まっていると感じるでしょうが、薬をやめてしまうと再び眼圧は上昇し、進行しはじめてしまいます。これはたとえレーザー治療や手術を受けても完治にいたることはありません。

 

緑内障だと診断されて大きなショックを受ける方もいらっしゃいますが、くよくよしていても始まりません。しっかりと病気と向き合い、適切な治療と日々のセルフケアを大切にして、うまく付き合っていきましょう。

 

[図表]緑内障の治療の流れ

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連載早期治療が必要不可欠――「緑内障」に関するQ&A

日本眼科学会認定眼科専門医
指導医 

1998年名古屋大学医学部卒業後、社会保険中京病院に勤務。
2000年、社会保険中京病院眼科医員。
2005年ハーバード大学 Massachusetts Eyeand Ear Infirmary 留学。2006年、イリノイ大学眼科留学。2012年慶應義塾大学医学部大学院卒業博士号取得。同年、岐阜赤十字病院眼科主任部長、名古屋アイクリニック角膜・眼表面担当医に就任。白内障、レーシック、フェイキックIOLから角膜移植術、角膜クロスリンキング、眼瞼手術など最先端の手術をマルチにこなす。2011年~2015年までの手術実績約3700眼。
慶應義塾大学医学部 眼科学教室 非常勤講師。
大連医科大学客員教授。
中華人民共和国 非常勤医師免許取得。
ICLインストラクター。
トラベクトームインストラクター。

著者紹介

目の悩み・疑問がスッキリ解決する500のQ&A

目の悩み・疑問がスッキリ解決する500のQ&A

小島 隆司

幻冬舎メディアコンサルティング

「白内障の手術受けるべき?」「目がかすんで見えるけど、これって病気?」ウェブ上の「眼科相談室」には、毎日全国の方々からたくさんの悩みが寄せられています。著者は、約10年間にわたって約6000件以上の質問に丁寧に答え…

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