前回は、緑内障の治療法について紹介しました。今回は、「緑内障」と診断された後、あえて経過観察の期間を設ける理由を見ていきます。

治療開始の前に、まずは「詳しい検査」が必要

緑内障と診断されたら、これから長い間付き合っていくことになります。そのためには、自分の緑内障の性質をよく知ることからはじめる必要があります。

 

もっとも眼圧が高い値はいくつなのか、眼圧が高い時間帯はいつなのか、などを検査でよく調べ、医師と一緒に適切な治療方針を立てます。また緑内障の症状が進行するか、進行しないかを判定するために、あえて治療をしない期間を設けて経過をみることもあります。

 

なぜすぐに治療をはじめないのかというと、薬によって眼圧を下げることは簡単ですが、人によってさまざまである緑内障の性質をはっきりと見極める前にむやみに眼圧を下げてしまうと、症状の進行を早めてしまう間違った判断を下してしまう場合があるからです。そうしたことを防ぐためにも、詳しい検査をしてから治療をはじめていく必要があるのです。

病気と向き合い、適切な治療とセルフケアを大切に

怖がらせるつもりはないのですが、緑内障は治療したから治るという病気ではありません。眼圧の上昇によって傷つけられた視神経は残念ながらよくなることはないのです。

 

薬や手術によって眼圧が正常値内に安定し、視野の欠損など視神経の障害が進行しなくなれば一時的に治まっていると感じるでしょうが、薬をやめてしまうと再び眼圧は上昇し、進行しはじめてしまいます。これはたとえレーザー治療や手術を受けても完治にいたることはありません。

 

緑内障だと診断されて大きなショックを受ける方もいらっしゃいますが、くよくよしていても始まりません。しっかりと病気と向き合い、適切な治療と日々のセルフケアを大切にして、うまく付き合っていきましょう。

 

[図表]緑内障の治療の流れ

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