「緑内障」で手術が必要に…最近の術式とは?

前回は、閉塞隅角の治療に使う「レーザー虹彩光凝固術」の留意点について紹介しました。今回は、緑内障の治療法について見ていきます。

適切な治療を受ければ、そのときの視力を長く保てる

緑内障と診断をされたら、誰でも最初はショックを受けるものです。まして、発見が遅くなり、取り返しのつかない状態だった場合はなおさらです。

 

しかし、初期の状態であれば点眼薬で進行を遅らせることは可能です。点眼薬の種類については、さまざまありますので、少しでも違和感があればすぐに相談してください。緑内障は一生付き合う覚悟が必要な病気ではありますが、怖い病気ではありません。早期に見つけるのが一番いいですが、見つかったときからしっかりと病気を受け入れ、適切な治療を受ければ、そのときの視力を長い間保つこともできます。

手術後のリスクを軽減する「トラベクトーム手術」

長い間緑内障手術のメインだったトラべクレクトミー(線維柱帯(せんいちゅうたい)切除術)は線維柱帯を一部分切除し、目の中から結膜の下にバイパス道をつくり、そこを房水が流れることにより眼圧を低下させます。この治療は、眼圧を下げる効果が高い反面、場合によっては眼圧が下がりすぎて視力低下を起こしたり、結膜・強膜を切らなければならず、術後の炎症などのリスクもありました。

 

そのため最近はトラべクレクトミーにエクスプレスというインプラントを組み合わせて、低眼圧になるリスクを解消する治療が登場しています。さらにさまざまな低侵襲緑内障手術(MIGS(ミグス))も登場しており、炎症が軽減されるようになりました。私たちのクリニックではMIGSのひとつであるトラベクトーム手術を取り入れており、現在ではクリニックで行う緑内障手術のおよそ7割を占めています。この手術は結膜・強膜を切らずに線維柱帯をレーザーで切除し、房水の流れをよくします。時間としても15分程度で終了し、ほとんど大きな合併症がありません。

 

しかし、どれも基本的には房水の流れをよくして高すぎる眼圧を下げるようにする手術ですが、緑内障の完治にはいたりませんので術後のケアは欠かせません。

 

[図表]緑内障の術式の違い

「その他」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

「健康」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

連載早期治療が必要不可欠――「緑内障」に関するQ&A

日本眼科学会認定眼科専門医
指導医 

1998年名古屋大学医学部卒業後、社会保険中京病院に勤務。
2000年、社会保険中京病院眼科医員。
2005年ハーバード大学 Massachusetts Eyeand Ear Infirmary 留学。2006年、イリノイ大学眼科留学。2012年慶應義塾大学医学部大学院卒業博士号取得。同年、岐阜赤十字病院眼科主任部長、名古屋アイクリニック角膜・眼表面担当医に就任。白内障、レーシック、フェイキックIOLから角膜移植術、角膜クロスリンキング、眼瞼手術など最先端の手術をマルチにこなす。2011年~2015年までの手術実績約3700眼。
慶應義塾大学医学部 眼科学教室 非常勤講師。
大連医科大学客員教授。
中華人民共和国 非常勤医師免許取得。
ICLインストラクター。
トラベクトームインストラクター。

著者紹介

目の悩み・疑問がスッキリ解決する500のQ&A

目の悩み・疑問がスッキリ解決する500のQ&A

小島 隆司

幻冬舎メディアコンサルティング

「白内障の手術受けるべき?」「目がかすんで見えるけど、これって病気?」ウェブ上の「眼科相談室」には、毎日全国の方々からたくさんの悩みが寄せられています。著者は、約10年間にわたって約6000件以上の質問に丁寧に答え…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧