今回は、アメリカ中古不動産の「修繕」のプロセスを見ていきます。※本連載では、Win/Win Properties, LLCの呉純子氏(パートナー/アメリカ代表)が、日米での不動産開発や都市計画作りに携わった経験なども踏まえ、米国不動産投資の穴場といえる「メンフィス」の最新不動産事情をご紹介します。

まずは「インスペクション(住宅検査)」から開始

今回は、私たちが実際にどのような流れで物件をお客様へ提供しているのか、その流れについてご紹介したいと思います。

 

まず、常にお客様に最適なキャッシュフロー物件を提供するために、市場やオークションで販売される物件を毎日選別しています。そのうえで仕入れを行い、さらに賃貸可能な状態へ徹底的に修繕しています。

 

その修繕のプロセスについて詳しく説明します。

 

①物件の健康診断に該当する「インスペクション(住宅検査)」の実施


修繕するにあたってまず重要なのは、専門業者のインスペクター(検査員)と共に、物件の内部から外部まで検査してもらうことです。この検査で見極めるのは、物件の見た目のデザインをどう変えるかというようなことではなく、物件の構造、ファンクション(機能)について徹底的に調べることです。

 

例えば、電気がきちんと機能しているのか、ボイラーに漏れはないか、屋根は欠けていないのかなどを細かく調べていきます。この作業は私たち人間にとっての健康診断と同じで、体の血圧(ボイラーの水圧)や内臓(ボイラーやエアコンや電気)がきちんと役目を果たしているかの確認です。人間の体と同じように、物件も一軒一軒すべてが違うのです。

 

[写真]傷んでいる箇所をチェック

 

 

②見積もりと修繕チームの構成


次にインスペクションレポート(品質管理情況)を基にして、見積もりを作成してもらいます。アメリカでは電気、屋根、エアコンシステムなど工事を扱う専門会社が分野ごとにそれぞれ分かれており、ライセンスも各分野で異なります。

 

その専門家たちを集め、それぞれの見積もりを出してもらいます。見積もりをレビューすることはとても大切です。通常4、5社のコントラクター(建設業者)に見積もりを出してもらい、それぞれの意見を私たちが分析したうえで最終チーム決定を行います。

大きな修繕は事前に政府の許可が必要

③修繕に必要な許可の取得


大きな修繕が必要な家は政府から工事の許可を得る必要があります。壁を壊す、新しい部屋を作る、家の面積の拡大や、水道管を新しく配置するなど。これらには、全て各政府の部署で許可を取ることが必須です。許可を取得して初めて工事を開始することができるのです。

 

 

④工事開始

 

工事開始にあたって一番大切なのはモニター、つまり工事をしっかり自分で見守っておくことです。スケジュールに沿って遅れがないよう、WIN/WINの現地スタッフは毎日のようにコントラクターとの確認作業を行います。そして修理の過程についてもしっかりチェックを行います。

 

このようにして、一般的に物件の修理はおよそ3週間から1か月半ほどで終わります。以上の流れが大まかな修繕のプロセスです。こちらが修繕前と修繕後の例です。

 

[写真]修繕前

 

[写真]修繕後

次回は、メンフィスの魅力をさらにお伝えします。

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