4500万円の財産を「相続税ゼロ」で相続できるケースとは?

前回に引き続き、「低解約返戻金型逓増定期保険」を利用した対策を見ていきましょう。今回は、4500万円の財産を、相続税ゼロで相続できるケースを検討してみます。

低解約返戻金型逓増定期保険で相続評価を30%圧縮

それでは、低解約返戻金型逓増定期保険を活用して相続税額をゼロにできるケースを紹介します。

 

●被相続人・・・母親(90歳) 

●相続人・・・子1人(65歳)

●相続財産・・・4500万円(現預金3500万円、不動産他1000万円)

●基礎控除額・・・3600万円

 

相続財産が4500万円で、法定相続人が子1人の場合です。父親はすでに亡くなっており、一次相続時に配偶者である母親がほとんどの財産を相続しています。4500万円という財産評価の場合、税制改正前であれば二次相続のときにも基礎控除額内に収まりましたが、平成27年以降の新しい税制では相続税が課税されることになります。

 

法定相続人が1人であれば3600万円の基礎控除となるので、相続税をゼロにするためには900万円の財産評価の圧縮が必要です。

 

母親が3000万円の保険料を支払って低解約返戻金型逓増定期保険に契約します。9年目に相続が発生すると、解約返戻率は70%で返戻金額が2100万円となります。これでちょうど900万円の財産評価が圧縮できて、基礎控除内に収めることができます。

 

引き継いだ子は、翌年、元本100%となったタイミングで解約しても構いません。ただし、500万円の現預金は別で相続していることもあって、手元の現金には余裕があり、母親から引き継いだ保険は、終身保険に切り替える選択肢もあります。

 

そこで終身保険に切り替えて契約者を子に、保険金受取人を孫にします。これで、子が亡くなったときには死亡保険金が孫にいきます。保険金を受け取る場合には、法定相続人1人につき500万円の非課税枠を使って相続し、基礎控除を上回った場合には、必要な相続税額を支払って終了です。

 

低解約返戻金型逓増定期保険を選ぶメリットは、最大30%財産評価を減らせる中で、二次相続対策までできる柔軟性を備えているということです。

解約忘れの防止は必須!契約前には子とよく話す

低解約返戻金型逓増定期保険は、解約忘れが致命的なダメージになります。解約返戻率が100%になったタイミングで解約するというのは、他の保険でも同じことです。しかし、たとえば一時払い終身医療保険などは解約返戻率が100%のまま一生涯続くので、仮に何年か解約するのを忘れてしまっても解約返戻金が減ってしまうことはありません。

 

一方、低解約返戻金型逓増定期保険は、解約返戻率が100%になるタイミングが、10年目のわずか1年間のみであることが一般的です。10年目に解約返戻率が100%になっても、その後15年、20年と契約が続くにつれて解約返戻率はゼロに向かって下がってしまいます。

 

そのため保険の契約時には、解約のタイミングの重要性を相続人としっかり話し合っておかなければなりません。

 

また、もし解約返戻率が100%になるまで相続が発生しなかった場合にも、契約者である親本人が忘れずに解約しなければなりません。解約していったん相続税対策を終了させて、契約前と同じ状態に戻ったらもう一度同じ保険に加入するなど、あらためて保険による相続税対策を考える必要があります。

 

5年などならまだしも、7年や10年となると、解約時期をうっかり失念してしまうこともあり得ます。理想としては、契約した当時の担当者から、「そろそろ見直しの時期ですね」などと注意喚起してもらうことです。

 

しかし保険会社の営業担当者は離職率が高く、お知らせをしてくれる担当者がいるとは限りません。したがって、この解約忘れは非常に多く、トラブルに発展しがちなのが実情です。

 

契約時には、契約する保険会社や営業担当者のフォロー体制をよく確認するとともに、契約に関わる人物が対策の事実を忘れないように何らかの手立てを講じておくことが重要です。

本連載は、2014年10月3日刊行の書籍『相続税をゼロにする生命保険活用術』から抜粋したものです。
本連載資料は、一般的な生命保険活用スキームを示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投資元本の利回りや運用成果等を保証するものではありません。また、本連載は、2014年4月1日現在の法令等に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。
個別の具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。掲載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本連載で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険をかけられる人、その対象となる体を提供する人のことをいいます。

(注記)本来、相続税対策においては、保険をはじめとしてさまざまな金融商品・現物資産スキームを組み合わせての対策となりますが、本連載では効果をわかりやすく説明するために、最大限に生命保険を活用したかたちでケーススタディを掲載しています。

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GTAC(ジータック)とは株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/

著者紹介

相続税をゼロにする 生命保険活用術

相続税をゼロにする 生命保険活用術

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

平成27年の税制改正を前に、各種メディアに溢れかえる相続税対策の数々。しかし主流である不動産を使った対策をはじめとして、どれもこれも導入に手間がかかるうえに、投資額を棄損するリスクが高いものばかりです。生命保険な…

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