新規事業成功のカギを握る「PLC戦略」による顧客アプローチ

前回は、戦略目標を策定する経営・管理手法「PPM」の概要について取り上げました。今回は、「PLC戦略」による顧客アプローチについて見ていきます。

「5つのタイプ」に分類可能な新規事業の対象顧客

一般に、新規事業の対象となる顧客は①「イノベーター(Innovators)」②「アーリーアダプター(EarlyAdopters)」③「アーリーマジョリティ(EarlyMajority)」④「レイトマジョリティ(LateMajority)」⑤「ラガード(Laggards)」という5つのタイプに分けられます。

 

①イノベーターは新しいものを進んで採用する人たちです。②アーリーアダプターは流行に敏感で、自ら情報収集を行い判断するグループです。③アーリーマジョリティは、①、②に比べると慎重ですが平均よりは早く新しいものを取り入れます。④レイトマジョリティは、どちらかといえば懐疑的な人たちで、周囲の大多数が購入したり試したりしているのを見てから同じ選択をします。最後の⑤ラガードは最も保守的なグループです。流行や世の中の動きに関心が薄く、新製品には定着するまで手を出しません。

初期市場とメインストリーム市場の間の「深い溝」とは?

PLC(プロダクトライフサイクル)戦略では、主たる対象顧客として「導入期」ではイノベーターとアーリーアダプターが、「成長期」ではアーリーマジョリティが、「成熟期」ではレイトマジョリティが、「衰退期」ではラガードが想定されることになります。それぞれの市場全体における割合は2.5%、13.5%、34%、34%、16%といわれています。

 

そして、イノベーターとアーリーアダプターで構成される初期市場と、アーリーマジョリティやレイトマジョリティによって構成されるメインストリーム市場との間には容易に越えられない深い溝(キャズム)が存在すると考えられています。このキャズムをいかに克服するかが、新規事業成功の大きなカギを握ることになるわけです。

 

[図表]プロダクトライフサイクルとキャズム

本連載は、2017年4月27日刊行の書籍『超図解!新規事業立ち上げ入門』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載新事業を成功させる「事業戦略」の作り込み方

カッティング・エッジ株式会社 中小企業診断士

1986年、慶應義塾大学 経済学部卒業
2003年、神戸大学大学院 経営学研究科博士前期課程(MBA)修了。2008年、MITスローンスクール Executive MOT修了。1986年、日本アイ・ビー・エム(株)に入社。
社内公募によりジョイントベンチャーを立ち上げ、IBMロゴの製品化を実現。1997年、当時、SFAのパイオニア企業であった米国シーベルシステムズ社の日本上陸に伴い、創業メンバーとして参加。西日本地区の責任者としてビジネスを立ち上げる。
その後、2008年、タレントマネジメントのグローバルリーディングカンパニーであった米国サクセスファクターズ・インク(現SAP)にスカウトされ、日本法人を設立し、代表取締役社長に就任。
ゼロからビジネスを立ち上げ、日本におけるタレントマネジメントブームの火付け役の一人となる。その後、日本オラクル(株)の営業本部長を経て、独立。現在は自身の会社であるカッティング・エッジ(株)を設立し、中堅・中小企業を中心に顧問契約を結び、これまでの経験を活かしながら、顧問先の新規事業立ち上げを実践的にサポートしている。

著者紹介

超図解! 新規事業立ち上げ入門

超図解! 新規事業立ち上げ入門

木下 雄介

幻冬舎メディアコンサルティング

日本の企業は目下巨大なパラダイムシフトの波に直面しています。 経営環境の変化がめまぐるしい中、企業が生き残るためにはビジネスモデルを再構築し、新たな収益の源泉として新規事業に取り組むことが不可欠です。 新規事業の…

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