事業の成長戦略策定に生かしたい「成長マトリックス」の概要

前回は、顧客の購買行動を促す「プロモーション戦略」の概要について取り上げました。今回は、事業の成長・拡大戦略の策定に生かしたい「成長マトリックス」の概要を見ていきます。

事業の成長を「製品」と「市場」の2軸から把握

4P戦略によって新規事業を定着させることに成功したら、さらなる成長・拡大を目的とした戦略を策定することが必要となります。その際に、活用を勧めたいのがアメリカの経営学者、イゴール・アンゾフによって提唱された「成長マトリックス」です。

 

成長マトリックスは、下記の図に示したように事業の成長を「製品」と「市場」の2軸から把握しようとするものです。それぞれの軸はさらに「既存」と「新規」に分けられ、①市場浸透、②市場開拓、③新製品開発、④多角化という4つの成長の方向性が示されます。それぞれの概要は以下のとおりになります。

 

市場浸透

 既存の市場に既存の製品を投入していく。

市場開拓

 新規の市場に既存の製品を投入していく。

新商品開発

 既存の市場に新規の製品を投入していく。

多角化

 新規の市場に新規の製品を投入していく。

楽天の成長戦略とは?

たとえば大手IT企業「楽天」は、これら①から④の戦略を展開することにより、着実な成長を遂げてきました。すなわち、同社はまず、ECサイト「楽天市場」を一般消費者に浸透させ(①)、次にグローバル市場を開拓し(②)、それから電子書籍や音楽配信などの新商品を開発し(③)、そして楽天証券や楽天銀行を設立し多角化を図ったのです(④)。

 

[図表]アンゾフの成長戦略と楽天の成長戦略事例

本連載は、2017年4月27日刊行の書籍『超図解!新規事業立ち上げ入門』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載新事業を成功させる「事業戦略」の作り込み方

カッティング・エッジ株式会社 中小企業診断士

1986年、慶應義塾大学 経済学部卒業
2003年、神戸大学大学院 経営学研究科博士前期課程(MBA)修了。2008年、MITスローンスクール Executive MOT修了。1986年、日本アイ・ビー・エム(株)に入社。
社内公募によりジョイントベンチャーを立ち上げ、IBMロゴの製品化を実現。1997年、当時、SFAのパイオニア企業であった米国シーベルシステムズ社の日本上陸に伴い、創業メンバーとして参加。西日本地区の責任者としてビジネスを立ち上げる。
その後、2008年、タレントマネジメントのグローバルリーディングカンパニーであった米国サクセスファクターズ・インク(現SAP)にスカウトされ、日本法人を設立し、代表取締役社長に就任。
ゼロからビジネスを立ち上げ、日本におけるタレントマネジメントブームの火付け役の一人となる。その後、日本オラクル(株)の営業本部長を経て、独立。現在は自身の会社であるカッティング・エッジ(株)を設立し、中堅・中小企業を中心に顧問契約を結び、これまでの経験を活かしながら、顧問先の新規事業立ち上げを実践的にサポートしている。

著者紹介

超図解! 新規事業立ち上げ入門

超図解! 新規事業立ち上げ入門

木下 雄介

幻冬舎メディアコンサルティング

日本の企業は目下巨大なパラダイムシフトの波に直面しています。 経営環境の変化がめまぐるしい中、企業が生き残るためにはビジネスモデルを再構築し、新たな収益の源泉として新規事業に取り組むことが不可欠です。 新規事業の…

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