銀行は融資の際に企業の何を見ているのか?

前回は、金融機関から有利な条件を引き出す、融資交渉の留意点について取り上げました。今回は、銀行は融資の際に企業の何を見ているのかを見ていきます。

規定の債務者区分により「企業信用力」を格付け

前回の続きです。

 

また、銀行と交渉する際には「銀行が企業の何を見ているのか」を知ることも大切です。まず、銀行は債務者である企業の信用力を図表にあげたような形で格付けしています。

 

この信用格付けは、銀行が「お金を貸すか否か」「金利をいくらにするか」などを決めるうえで非常に大きな判断基準となっています。

 

[図表]銀行の格付け(債務者区分)

社長の姿勢や人柄なども重要なチェックポイント

さらに、銀行は、以下にあげるように定性面と定量面の観点からも、個々の会社を分析・評価しています。

 

(定性面)

 

●経営者の人格・経営能力

●社歴、(当該金融機関との)取引履歴

●技術力などの強み(付加価値の源泉)

●取引先との関係性

●業界の動向

 

(定量面)

 

●決算書では純資産と期間利益を最重要視

●純資産は実態ベース

●期間利益も実態ベース

●債務償還年数

●在庫や営業債権の回転期間

 

これまで銀行はもっぱら格付けのみで融資をするか否かを決める傾向が強かったのですが、「事業性も評価してお金を貸すようにしよう」と、現在はできるだけ会社の中身を見て判断しようという流れになっています。

 

その一環として、右の定性面で示されているように社長の姿勢や人柄などについても、重要視するようになってきているわけです。

 

事業を承継する際には、取引銀行の担当者とコンタクトをとって顔つなぎをするので、そのとき相手は「この社長はどのような人物なのか」を厳しくチェックするはずです。第一印象で悪いイメージを持たれないよう、言動には十分気をつけるようにしましょう。

本連載は、2016年10月21日刊行の書籍『「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載親族内の事業承継を成功に導く――財務の基本と戦略

株式会社わかば経営会計 代表取締役
公認会計士・税理士・中小企業診断士

1984年、兵庫県神戸市出身。2006年、京都大学経済学部卒業、在学中に公認会計士試験に合格し、大手監査法人・中堅税理士法人での勤務を経て、2013年に大磯経営会計事務所(現「わかば経営会計」)創業。「中小企業の未来を創造する」を経営理念に、事業承継・M&A企業再生といった中小企業向けの財務・経営コンサルティングおよび税務サービスを展開。

著者紹介

「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド

「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド

大磯 毅/中山 昌則

幻冬舎メディアコンサルティング

戦後70年を迎え、多くの中小企業に降りかかっているのが「事業承継」の問題です。 しかし、現社長のなかには景気の低迷、適当な人材の不在などの理由から廃業を考える人が少なくありません。また、社長の息子や親族などの後継…

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