施工品質にも影響!? 住宅会社の「過剰な値引き」の問題点

前回は、住宅契約前の留意点について取り上げました。今回は、住宅会社の「過剰な値引き」の問題点について見ていきます。

決算期の「値引き合戦」…しわ寄せは下請け業者へ

住宅会社の決算期には、値引き合戦が特に激化します。棟数や売上げが必要なので、利益が出なくてもいいと考えるのです。たとえばハウスメーカーからディーラーへの部材などの買い付け量があらかじめ決められている場合は、目標に到達しないと仕入れ単価が上がるという不利益がありますから、必死です。

 

もちろん、見積り額が低くなるだけであれば、お客様としては言うことはないでしょう。しかし、いくら赤字覚悟といっても、それでも少しは利益を残そうとするものです。そのため、そのしわ寄せは下請け業者などに行きます。それが考慮すべき二つ目の要素です。

発注金額の一律カットでやる気を失う契約公務店

私が経験したケースで言うと、ハウスメーカーから下請けへの発注金額が一律5%カットなどということがありました。ただでさえ下請けの利益は大きくありません。そこに持ってきて5%カットですから、現場のやる気もなくなります。

 

大手ハウスメーカーの契約工務店などは受注しなければ経営がなりたちませんから、しぶしぶ受けることになります。そうしたことが施工品質に影響しないとは言い切れないわけです。しかも短工期で済ませなければ割が合いませんから、一刻も早く終わらせたいという作業になります。そして、さらに工務店の利益を差し引いた金額で、技術よりも安さを重視した孫請けへ外注するといった悪循環が生まれるのです。

 

モチベーションとモラルの低い建築現場から、優れた品質が生まれるはずはありません。値引きという名の代償は、値引き以上の後悔につながりかねないのです。

 

値引きはその住宅会社の良心がわかるバロメーターです。正当な利益を工事費に組み込んでいれば、値引けない理由を説明でき、大幅な値引きは出来ないはずです。

本連載は、2017年4月12日刊行の書籍『改訂版「家づくり」は住宅会社選びで9割決まる 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載家づくりを成功させるために知っておきたい「住宅業界」の裏話

株式会社タマック 代表取締役

1961 年(昭和36 年)千葉県生まれ。  愛知学院大学商学部経営学科卒業後、父親の経営する会社に入社するも、間もなく経営破たん。家族として背負った負債を返済するために3 年間、究極の職場・佐川急便に勤務。
負債を全額返済し終えた1988 年、父親が再度立ち上げたタマックの前身となるハウスクリーニング業有限会社多摩クリーンサービスに入社し、1990 年より住宅建設業を開始、某大手ハウスメーカーの指定工務店となる。
1993 年株式会社タマックに商号変更、1995 年株式会社タマック代表取締役に就任。2001 年大手ハウスメーカーの下請けから脱却し、注文住宅の自社ブランド「タマックの家」の受注を開始。下請け時代の反省から一貫して拡大路線をとらず、「半径10km 圏内限定施工」、「年間80 棟限定施工」、「月間7 棟平準着工」を掲げ、施主の立場に立った「サービス業」としての家づくりを実践している。
神奈川県川崎市多摩区に本社およびショールームを構え「生涯一拠点体制」を宣言し、施主にとっての「一分の一の家づくり」を大切に、「家づくりは幸せづくり」をモットーとし、地元に必要とされる会社として根ざしている。

著者紹介

改訂版「家づくり」は住宅会社選びで9割決まる

改訂版「家づくり」は住宅会社選びで9割決まる

貞松 信人

幻冬舎メディアコンサルティング

人生を左右するほどの大きな買い物である「家づくり」。 「家づくり」は購買経験を積むことが出来ないため、何が正しくて、何を基準にすれば良いかわからない、とても難しい買い物です。 あるアンケート調査では、注文住宅を…

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