顧客本位の投資信託販売 業者に求められる方策とは?

前回は、「顧客本位の業務運営に関する原則」が掲げる具体的な7つの原則のうち、原則6・7について取り上げました。今回は、顧客本位の業務運営を確立するための「4つの方策」について見ていきます。

金融事業者の行動や取組みを「見える化」

今回は、顧客本位の業務運営を確立・定着させていくための方策について解説していきます。

 

金融庁、金融審議会市場ワーキンググループは、顧客本位の業務運営を確立・定着させていくためには、「金融事業者がより良い金融商品・ サービスの提供を競い合い、より良い取組みを行う金融事業者が顧客から選択され、これを踏まえて金融事業者が自らの業務運営を絶えず見直していく、という好循環が生まれる必要がある。そのためには、顧客本位の業務運営に掲げた内容を盛り込んだ原則を策定するのみならず、以下の4つの方策をあわせて実行していくことが適当である。」と提言しています。

 

出典:金融庁(平成29年3月3日事務局説明用資料より)
出典:金融庁(平成29年3月3日事務局説明用資料より)

 

(1)金融事業者の取組みの「見える化」

 

金融事業者の取組みの「見える化」については、以下のプロセスを求めています。

 

●顧客が、自らのニーズや課題解決に応えてくれる金融事業者を主体的に選択できるようにするためには、顧客から金融事業者の行動や取組みがより正確に把握できるよう、極力、「見える化」 を進めることが重要である。


●このため、原則を採択した金融事業者においては、顧客本位の業務運営を実現するための明確な方針を策定・ 公表した上で、当該方針に係る取組状況を定期的に公表するとともに、当該方針を定期的に見直すことがまずもって重要である。


●その際、当該方針には、顧客本位の業務運営原則Ⅱ~Ⅶに示されている内容((注)を含む。)について、受け入れる場合にはその対応方針を、受け入れない場合にはその理由や代替策を、分かりやすい表現で盛り込むことが適当である。

 

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(2)顧客の主体的な行動

 

顧客にも、金融情報、金融事業者等を評価する為に、主体的に行動することを期待しています。また、主体的な行動を補う仕組みも必要であると記しています。

 

●顧客が金融事業者によって提供された情報等を適切に分析して金融事業者の取組みを正しく評価し、より良い取組みを行う金融事業者が選択されていくためには、顧客の主体的な行動が重要になる。


●その際には、顧客に対し、安定的な資産形成に資する投資教育や金融商品に関する情報等を積極的に提供することで、その投資知識や理解等のリテラシーの向上を図っていくことが重要と考えられる。


●また、有識者等で構成される第三者的な主体が、例えば民間における自発的な取組みとして形成され、 金融事業者全般あるいは各金融事業者の取組方針や取組状況を顧客の立場から評価し、評価結果を公表するといったメカニズムが存在すれば、顧客が金融事業者を選別する上で参考になると考えられる。

サービスの選択を手助けする担い手の「多様化」も重要

(3)顧客にアドバイス等を行う担い手の多様化

 

販売会社等とは独立した立場でアドバイスをする対応ができるような環境整備が必要であると提言しています。

 

●顧客が合理的な判断に基づき資産形成を行うためには、販売会社等とは独立した立場で顧客に対してアドバイスする者など、顧客による金融商品・サービスの適切な選択を手助けする担い手の多様化が重要である。

 

(4)当局の役割

 

●顧客本位の業務運営を実現するためには、検査・監督においても、原則の受入れ状況、策定した取組方針、当該方針に係る取組状況について、適切にモニタリングを行い、ベスト・プラクティスの実現を目指して対話していくことが重要である。 なお、原則については、金融事業者の取組状況や、その取り巻く環境の変化を踏まえ、必要に応じ見直しの検討が行われることが望まれる。

 

顧客本位の業務運営原則の取組状況については、モニタリングが行われることが想定され、金融庁の検査対象であることは明確でしょう。しかし、本当の評価はお客様ないし市場によって行われるのが基本であると考えます。

 

次回は、金融事業者の業務運営の現状と課題、定着に向けた取組みについて考察します。

本連載は、一般的な投資信託の仕組みなどを紹介することを目的にしています。投資を促したり、筆者が所属する「幻冬舎アセットマネジメント」に勧誘することを目的としたものではありません。また、投資にはリスクがあります。リスクに十分に考慮をして、投資判断を行ってください。本連載の内容に関して投資した結果につきましては、著者及び幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。

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幻冬舎アセットマネジメント 事業開発室 室長

1984年、日興証券(現SMBC日興証券)入社。個人富裕層向けの資産運用アドバイス、外資系金融機関への機関投資家営業ののち、投資開発部、ファンドマーケティング部でデリバティブ商品、投資信託業務に従事。
2001年からは三菱UFJ証券(現三菱UFJモルガンスタンレー証券)で商品開発本部に所属し、銀証連携により企業オーナー、個人富裕層に対しての商品企画、販売プロモーションを経験。
2011年、バークレイズ・ウェルス・サービシズに移り、日系メガバンクとのプライベートバンキング事業立ち上げに参加。プライベートバンカーとして、資産5億円以上の富裕層顧客に資産のコンサルティング業務を行う。
2017年1月から現職。これまでの経験を生かし、金融機関とは一線を画し、企業オーナー、富裕層の財産を守る為に、公正、中立な情報の提供を心がけている。

著者紹介

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