今回は、最小限の手間とコストで「快適居住空間」を手に入れる方法を見ていきます。※本連載は、株式会社マエダハウジング、株式会社マエダハウジング不動産の代表取締役・前田政登己氏の著書、『「困った空き家」を「生きた資産」に変える20の方法』(株式会社ザメディアジョン)より一部を抜粋し、空き家の具体的な活用法を紹介します。

大型リフォームばかりが「リフォーム」ではない

リフォームというと、テレビ番組『大改造!! 劇的ビフォーアフター』のように華々しいリフォームばかりが思い浮かぶかもしれません。本書でも、イメージしやすいように大型リフォーム事例を紹介しています。ただ、実際に行われる空き家リフォームは、もちろんそのような大型リフォームだけではありません。「壁紙クロスを変えるだけ」、「お風呂を変えるだけ」、「リビングを断熱リフォームするだけ」といった、最小限度のリフォームをして住むことも十分価値のある方法だと思います。

 

もちろん、リフォームにたっぷりお金をかけて完璧な快適空間をつくることにも大いに価値があり、それが向いている人もいるでしょう。ただ、基本的に快適住空間は決して「家だけ」でつくるものではありません。土地や街によってもつくることができるものなのです。

 

例えば、マンションの部屋で北側と南側では温度が違います。極端なことをいえば、北側の部屋なら断熱リフォームした方が良いかもしれませんが、南側なら不要かもしれません。戸建てにおいても、日当たりが良い土地の建物と日当たりが悪い土地の建物では、最低限必要な断熱レベルも変わってきます。日当たりの悪い場所に建つ新築建売住宅よりも、日当たりの良い場所に建つ築30年の中古戸建ての方が暖かいというケースを私はいくつも見てきました。

 

さらにいえば、瀬戸内海に面した暖かい地域である広島市内の物件と、山間地域で気温の低い県北、三次市の物件とでは、同じ建物でも寒さや暑さはかなり違います。もっといえば、エアコン性能もストーブ性能もかなり進化しています。エアコンをたとえ24時間つけっぱなしにしていても、それほど過大な料金が請求されることはありません。つまり、「家以外」で対処する方法は結構あります。何ならユニクロのヒートテックを着て活用したって良いわけです。

土地選びの工夫で「不利な環境条件を補えることも

家にこだわる場合、とかく家だけで完璧を目指そうとしてしまいがちです。しかし、土地にお金を配分し、土地選びを工夫することで、不利な環境条件を補える要素も実際はかなりあるのです。もちろん、通勤時間や地域の治安、買い物の利便性なども大切ですから、それらも考慮した総合的な物件探しをするべきです。お金が無限にあれば、土地も家も完璧なものが手に入るかもしれませんが、ほとんどの人にとってお金は有限です。

 

「どうしてもあの土地に住みたいけれど、お金が足りない」という場合、中古物件購入+リノベーションで、必要最小限のリフォームを行い、住むのも意義深い選択です。たいていは「住めば都」ですから、快適に暮らしていくための選択肢をこうして広げてみるのも良いのではないでしょうか。

 

寄稿原稿:マエダハウジング不動産 不動産実務の現場から② 林洋一氏

「困った空き家」を「生きた資産」に変える20の方法

「困った空き家」を「生きた資産」に変える20の方法

前田 政登己

ザメディアジョン

空き家の相続、管理、売却がわからず費用や時間がかかるばかりの「困った空き家」。 人口減少社会の「生きた資産」として再活用する20の方法を紹介します。

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