いまだになくならない「粉飾決算」・・・その手口とは?

今回は、粉飾決算はどのような手口で行われるのかを見ていきましょう。※本連載は、ウエキ税理士法人の代表税理士で、中小企業の再生支援にも従事する中田隼人氏による著書、『コンサルティング機能強化のための個人事業主の決算書の見方・読み方〈2017年度版〉』(経済法令研究会)より一部を抜粋し、個人事業主の決算書の見方・読み方を、図表を交えてわかりやすく紹介します。

融資を受けることを目的に「利益」を水増し

決算書の利益を水増ししてしまう、粉飾決算。粉飾決算で融資を受けるということは詐欺行為なのですが、決算書を軽く見ているのか、経営者としての弱さなのか、一部ではいまだになくならないのが現状です。

 

粉飾決算によって、赤字であるにもかかわらず余分な税金を納めることになるため、個人事業主としては非常に負担が重くなります。さらに、一番の深刻な問題は、他人をごまかしているつもりが、長年、粉飾をしていると自分自身もごまかされてしまうところにあります。

 

赤字を決算書でしっかり認識して、金融機関など外部からも指摘を受けることは経営改善を行う最大のチャンスです。そこで初めて個人事業主の強みを深く見つめ直して、営業戦略の策定や、利益率の改善、固定費の削減などに取り組んでいけるのです。

粉飾方法としてメジャーなのは「架空在庫の計上」

粉飾のやり方としてよく見受けられるのは、架空在庫の計上です。仕入が600万円、期末在庫が100万円の場合を考えてみましょう。

 

販売した商品の売上原価は仕入600万円−期末在庫100万円=500万円となります。ここで架空在庫200万円を積増ししたらどうなるでしょう?

 

仕入600万円−(期末在庫100万円+架空在庫200万円)=300万円となり、原価が一瞬にして200万円削減できるというわけです。

 

[図表]架空在庫の計上

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連載個人事業主のための「決算書」の見方・読み方

ウエキ税理士法人 代表税理士

1997年大阪教育大学を卒業後、植木保雄税理士事務所(現ウエキ税理士法人)に入所し、中小企業を中心に、卸売業、製造業、建設業および金融機関などの税務申告を幅広く担当。2017年1月から代表社員に就任。経営革新等支援機関として国から認定を受け、中小企業の再生支援にも従事している。

著者紹介

コンサルティング機能強化のための個人事業主の決算書の見方・読み方〈2017年度版〉

コンサルティング機能強化のための個人事業主の決算書の見方・読み方〈2017年度版〉

中田 隼人

経済法令研究会

本書は、図解を多く用いることで、簿記の基礎や全体像が理解しやすい作りとなっています。さらに、個人事業主の決算書の見方・読み方を初学者でもわかるようコンパクトにまとめました。 2017年度版は「攻めの投資」を支援する…

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