前回は、京都市内の各エリアの特徴と物件選びのポイントを取り上げました。今回は、多数の開発プロジェクトで地価が高騰する京都駅周辺エリアの現況を見ていきます。

京都人に好まれず、開発されてなかった京都駅周辺

収益物件の購入を考える上で「駅チカ」は重要な要素です。なかでも「JR」の駅は主要な駅同士を結ぶターミナルとしての要素があるので、どの都市でもJR駅の近辺は開発が最初に進みます。物件がJRの駅の近くにあるとなれば、高い家賃設定を想定できます。

 

JR京都駅も多くの観光客を迎える京都最大の玄関口となっています。駅ビルは総合アミューズメント施設になっていて、劇団四季が公演する「京都劇場」や、美術館「えき」KYOTOが併設されています。多くの商業テナントが入っており、駅構内にある大階段では、さまざまなイベントが開かれています。

 

しかし、ここが京都のおもしろいところですが、意外にもこのJR京都駅の周辺はこれまで十分な開発が行われてきませんでした。

 

前述の「平安京基準」をもう一度見てください。実は京都は京都駅中心の町ではありません。京都は平安京の時代から、御所が北側に位置していたため、北に行くほどいい土地だとされてきました。この昔ながらの感覚は未だに京都に残っており、一般的に京都の人は下賀茂や北山のほうに好んで住みます。

 

そして京都御所から見て南方面にある京都駅周辺というのは、普通の投資目線で見れば超一等地なのですが、京都人にはあまり好まれず、開発されてこなかったという側面があります。

現在は文化や経済の要所として開発競争が進む

そこで行政側が腰を据えて取り組むことになり、京都市が一帯の土地を買い取り、まず新しい京都駅を建設し、近年は線路の南側の地域でも再開発が進んできました。

 

このJR京都駅を中心とした開発プロジェクトをいくつか挙げれば、まずは京都駅南口駅前広場の整備事業が2016年末に完成し、最近はインバウンド関連、ホテルや商業施設の計画が急ピッチで進んでいます。京都駅の東側、七条の鴨川沿いに京都市立芸術大学の移転整備が進んでいることは、古くからの京都人にとっては大きなインパクトを感じる出来事でした。

 

京都駅周辺のホテルでは、老舗ホテルのリーガロイヤルホテル京都が2016年にリニューアル。また、京都駅前には2018年オープンを目標とした新ホテルの建設計画が進められているほか、翌2029年にはJR京都駅の西側、すぐ近くに新駅が設置される計画も進んでいます。このエリアは「京都鉄道博物館」や「京都水族館」がすでにオープンしている場所です。

 

駅の南側にはワコール、ニッセンホールディングス、京セラの本社。西に一駅行った西大路駅には日本新薬の本社があります。この辺りは準工業地域で道が広く高速道路もあるので利便性が高く、大企業が集まる地域となっています。またこの南側にも新規の大型ホテルの開業が続々と発表されています。

 

このように京都駅周辺は観光のみならず、文化や経済の要所としてすでに開発競争の様相を呈しており、前述の田の字地区に匹敵するほど地価が高騰しています。今後は、京都駅の南方向である九条・十条、また西方向のJR西大路駅周辺地域でのレジデンス開発が進んでゆくのではないかと考えています。

 

[図表]京都駅周辺の開発プロジェクトの一例

 

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