不動産 国内不動産 その他
連載中小オフィスビルオーナーのための「満室」経営術【第11回】

ビルを「より広がりのある空間」にリフォームする方法とは?

リフォームエントランスエレベーターホール給湯室工事原価

ビルを「より広がりのある空間」にリフォームする方法とは?

前回に引き続き、競合物件と差をつけるためのリフォーム方法を紹介していきます。今回は、オフィスビルを「より明るく広がりのある空間」にするためのポイントなどを見ていきます。

空間全体の「縦のライン」を強調し、細部にもこだわる

外観、エントランスをビルの顔とすれば、基準階のエレベーターホールは入居する企業(テナント)の顔となるスペース。当然、ここも明るく、勢いを感じさせる空間であるべきです。

 

そこでリフォームでは圧迫感を与えていたオフィス入口の壁を撤去、すりガラスにすることで、室内からの明かりがエレベーターホールにも及ぶような形にしました。もちろん、エレベーターホール自体の照明も明るく変更していますが、そこにプラスアルファの明かりが壁を通して得られ、いっそう明るくなるというわけです。

 

[図表1]基準階エレベーターホールのリフォーム

 

ドアは左右に2枚。こうしておけば、テナントが親会社と子会社で間を仕切って使う、貸す時点で2社に分けて貸すなど、使い方、貸し方に幅が出るからです。ここにはビル全体の警備保障システムとは別に入室時に利用するセキュリティを追加しています。予算の関係でカード式のシステムを採用していますが、これは生体認証、特に静脈認証に比べると普及しているだけにお手頃です。ただ、可能であれば、物件のアピールポイントにもなるため、最先端システムを導入すべきでしょう。

 

また、細かいことですが、エレベーターの操作ボタン周辺のデザインも変更しています。もともとは壁に操作ボタンだけがぽつんとある形になっていましたが、これをエレベーターの扉、オフィスの入口扉と合わせ、床から天井までのスチールのカバーのなかに入れ込んだのです。

 

こうすることで、空間全体に縦のラインが強調されることとなり、広さを感じるようになります。人間の目はこうした細部もちゃんと見ているものですから、細部にこだわることは大事です。

 

トイレ・給湯室についてはそもそもの配置を変更、エレベーターホールにいる来訪者からトイレのドアが見えないような形にしました。壁際にドアが複数あるとうるさく見えますし、トイレへの出入りがホールから見られてしまうのは何となく嫌なもの。しかし、この形であれば、見えにくく、スマートな印象を与えます。もちろん、設備も新調、鏡とガラススクリーンを使うことで実際の広さ以上に広がりを感じる空間になっています。

 

[図表2]トイレ・給湯室のリフォーム

リフォームの目的はあくまでも「ビルの収益向上」

ところで、通常、他社にリフォームを依頼すると、費用には工事原価に利益(一般的には30%程度)がプラスされるものですが、当社では工事原価のみで請け負っています。それは、当社のリフォームはそこで利益を上げることが目的ではなく、ビルの収益を向上させることが目的だからです。

 

つまり、リフォームは作業過程に過ぎず、リフォームしただけでは目的を達成したことにはなりません。それなのに、そこで儲けを追求するのはおかしな話。当社ではそう考えています。

本連載は、2010年12月21日刊行の書籍『空室を抱える中小オフィスビルオーナーのための満室ビル経営』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

佐々木 泰樹

サブリース株式会社 代表取締役

1946年岩手県宮古市生まれ。1969年に都留文科大学を中退、東都商事株式会社に入社。貸事務所仲介営業に従事し、入社から5カ月で営業管理職兼トップ営業マンと して活躍する。その後、同社を3年10カ月で退社、26歳 で独立を果たす。40年以上にも及ぶ業界経験のなかで、 貸事務所の仲介のみならず、貸ビルの設計・開発ならびに リフォームを含めたビルのコンサルティングも手掛け、多く の空室に悩むオフィスビルを再生させてきた。また、業界に先駆け、貸事務所の転貸業(サブリース)を考案するな ど、その豊富な経験を活かし、現在はサブリース株式会社 にて、オフィスビルの設計、開発、再生に力を注いでいる。

著者紹介

連載中小オフィスビルオーナーのための「満室」経営術

空室を抱える中小オフィスビルオーナーのための満室ビル経営

空室を抱える中小オフィスビルオーナーのための満室ビル経営

佐々木 泰樹

幻冬舎メディアコンサルティング

サブプライム問題、リーマンショックを経て、悪化した賃貸オフィスビル市場は依然厳しく、地方都市では都心以上に苦しい状況にあります。そのような中、特に中小規模のオフィスビルは、バブル期以前に建った築20年以上のビルが…

Special Feature

2016.12

「法人保険」活用バイブル<書籍刊行>

決算対策、相続・事業承継、財産移転・・・企業とオーナー社長のさまざまな課題解決に、絶大な効果を発揮する「法人保険」の活用…

GGO編集部(保険取材班)

[連載]オーナー社長のための「法人保険」活用バイブル~決算対策編

【第19回】保険のための医的診査 結果が「少し悪い」ほうが社長が喜ぶ理由

GTAC(吉永 秀史)

[連載]法人保険を活用した資産移転の節税スキーム

【第15回】「逆ハーフタックスプラン」活用時の留意点

Seminar information

不動産活用セミナーのご案内

償却メリットを狙った「京都の町家」投資の魅力

~建物比率5割超&4年で減価償却も可能!独自の不動産マーケットを形成する京町家だから実現する投資法

日時 2016年12月10日(土)
講師 平野準

海外不動産セミナーのご案内

償却メリットにフォーカスした「ハワイ不動産」投資の最新事情

~築古木造のタウンハウスで建物比率80%以上。「ハワイの償却物件」の実際と活用法

日時 2016年12月10日(土)
講師 大橋 登

海外活用セミナーのご案内

国際金融都市「香港」で始めるグローバル資産防衛

~本格的な海外投資環境を整えるメリットと現地の最新金融事情

日時 2016年12月10日(土)
講師 長谷川建一

The Latest