地主を狙う「建築ありき」の土地活用提案の実態

土地の有効活用をめぐるトラブルが頻発しています。本連載では、藤和コーポレーション株式会社代表取締役 牛島浩二氏の著書『知っていなければ助からない不動産投資の落とし穴』(現代書林)から一部を抜粋し、ハウスメーカーや建築会社が提案してくる「家賃設定」のカラクリについて解説します。

広く知られた「三〇年一括借り上げ」だが…

大手のハウスメーカーや建築会社が、土地の所有者に対して勧めている事業方式として、
「三〇年一括借り上げ」があります。テレビのCMなどで盛んに宣伝しているので、事業会社の名前はブランドとして全国的に広く知られるようになっています。

 

三〇年一括借り上げというフレーズからは、当然、それだけの長期間にわたって家賃収入が保証されると錯覚し、誰もが思い込みやすいのではないでしょうか?

 

後述するように、業者は「同じ家賃で、ずっと借り上げます」とは、ひと言も言ってはいません。もしくは、各部屋が退去するたびに免責期間を設け、家賃の支払いをなくしたりします。後述しますが、実際にマヤカシの家賃で三〇年間も一括借り上げをしたら、会社の採算はとても合わないはずなのです。

 

にもかかわらず、大々的な宣伝によって、土地を有効活用したいオーナーに安心を売りつけようと盛んにアピールしているわけです。そこには、マヤカシが隠されています。

オーナーの成功を願った長期的な視点が皆無!?

各社の営業方法というのは、飛び込み訪問であることで共通しています。

 

しかも、「この土地をこういうふうに活かしたらいいですよ」という土地活用の営業ではなく、「建てませんか」「建てたほうが得です」「建ててください」という建築ありきの営業であることも各社同様なのです。

 

要するに、契約を急がす拙速な営業方法であり、オーナーの成功を願った長期的な視点がまったく欠如しています。ビジネスモデルとしての「Win-Win」の関係が成立しないのです。

 

もちろん、その土地の場所が駅から近距離にあって、収益を生み出す期待のできる好条件が揃っているならば、建てるのは有効な方法であるかもしれません。

 

ところが、駅から二〇分も離れている場所に無理やり建てても、入居者が集まらないで事業収支が合わなくなる可能性があるのは、当たり前に推測できることです。

 

それがわかっていながら、「入居者の需要はあります」「建てたほうが得です」といった営業姿勢は間違っていないでしょうか。

 

正しい社会還元ではない利己主義的な考え方が入り込んでいるとすれば、土地活用を真剣に考えている土地オーナーを食い物にしていると指弾されても仕方ないのです。

本連載は、2017年6月15日刊行の書籍『知っていなければ助からない不動産投資の落とし穴』から抜粋したものです。稀にその後の法律、税制改正等、最新の内容には一部対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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藤和コーポレーション株式会社 代表取締役

「新築大家さん」を展開する藤和コーポレーション株式会社代表取締役。福岡県生まれ神奈川県育ち。会計コンサルタントを経て、建築業界、不動産業界の裏側を知り、製造業のトヨタ生産方式や成果主義給与、ISO取得などの知識を得る。安価な土地仕入交渉を得意とし、新築物件企画から融資、税務、賃貸管理までの一切を、経営視点を踏まえてコーディネートする。これまで手がけてきた新築物件企画は、入居率95%以上という高い人気を誇る。多くの土地オーナーからの信頼も厚く、不動産投資に関するセミナーも定期的に行っている。共著書に『不動産投資は儲からない』(ジュリアン)がある。


藤和コーポレーション株式会社
http://oyasan.jp

著者紹介

知っていなければ助からない 不動産投資の落とし穴

知っていなければ助からない 不動産投資の落とし穴

牛島 浩二

現代書林

土地を所有していて、自分の土地に建物を建てようかどうかと、いろいろ思案している最中の人はハウスメーカーや借り上げ業者などから、しきりに土地の有効活用として「建てませんか?」と強く勧められたり、契約を急がされたり…

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