今回は、ODAの成果の一例として、2014年に完成したベトナム「日越友好橋」について見ていきます。※本連載は、大阪府の有名高校の教諭を歴任し、現在は大阪府立天王寺高等学校の非常勤講師を務める南英世氏の著書、『意味がわかる経済学』(ベレ出版刊行)の中から一部を抜粋し、経済学の基礎知識をわかりやすく説明します。

全長3755メートル、片側4車線、総工費約800億円

ベトナムの首都ハノイを横断する紅河に、ニャッタン橋(日越友好橋)をかける工事が2014年12月に完成しました。

 

全長3755メートル、片側4車線、総工費約800億円。資金は日本のODA(円借款)によるもので、工事を受注したのは三井住友建設とIHIインフラシステムなどでした。この橋の完成によって慢性的な交通渋滞が緩和され、ハノイ中心部とノイバイ国際空港の所要時間が大幅に短縮されました。

 

現地で働いた日本人は技術者や事務職員を含めて50人程度で、現地で雇用された人はその5倍以上にものぼり、若いベトナム人技術者が日本の技術を学んでくれる機会ともなりました。

 

[写真] ハノイにかけられた日越友好橋

(JICA独立行政法人国際協力機構より)
(JICA独立行政法人国際協力機構より)

日本の外務省に届いた、ある中国人女性からの手紙

平成16年1月、二人目の赤ちゃんを産んだばかりの一人のお母さんから、こんな手紙が日本に届きました。

 

「私は湖南省平江県浯口鎮西江村のものです。私は日本国政府と日本国民の方々に感謝したいのです。あなた方は二つ目の生命を私に与え、私と子どもを助けてくれた命の恩人なのです。1月10日、突然痙攣を起こして倒れた私は、危険な状態と判断され、湖南省平江県母子保健院救急センターに救急車で運ばれました。センターで救急措置と帝王切開手術を並行して受け、無事出産することができました。

 

保健院の方々から、『あなたが助かったことは、日本国政府と日本国民の真心と切り離すことはできないのです。日本の無償援助によって、この保健院の設備が整い、多くの婦女や乳幼児の健康が保障されるようになったのですよ。』と聞きました。私は心から保健院と日本国政府、日本国民に感謝します。そして中日友好が子々孫々まで続くよう願っています。」(外務省webサイトより)

本連載は、2017年5月25日刊行の書籍『意味がわかる経済学』から抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

意味がわかる経済学

意味がわかる経済学

南 英世

ベレ出版

経済学の理論や数字を聞いても、それが何を意味するのか、そもそも何のための理論なのかがよくわからないという経験はありませんか? 本書は理論や数字の意味をしっかり理解できるよう、実際の経済状況や経済政策と結びつけ…

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