前回は、不動産事業を拡大する上で「融資期間」が重要になる理由を説明しました。今回は、将来の交通環境等まで見据えた「不動産投資の立地戦略」について見ていきます。

2027年にリニアモーターカーが開通予定の「橋本駅」

都内での新築アパートが稼働しはじめれば、ある程度安定したキャッシュフローが見込める。それだけでは目標とするキャッシュフローに到達しないため、次は少し利回りを上げるために冒険をしようと考えた。

 

冒険といっても、理由はしっかりある。ターゲットは、2027年開通予定のリニアモーターカーだ。始発となる品川駅周辺は、都内なので高利回り(低価格)での購入が期待できないため、次の駅の「橋本駅」に対象を絞り込んだ。

 

まだ価格も上がりきっておらず、そこそこ良い買い物ができたと思っているが、少し、時代を先読みし過ぎた感はあった。物件の担保力が弱く、銀行の融資が想定より苦戦した。

 

結果的には良かったが、危うく折角の新築にもかかわらず、金利3%台でローンを組まざるを得ない状況になるところだった。金融機関は所詮、まだ上がりきっていない路線価ベースでの試算しかしないため、実態の取引相場よりも評価が低いことがよくある。

 

「都内」も「橋本」も、インカムゲインで莫大なキャッシュフローを生むわけではないが、それぞれが「一定期間(10年ぐらい)」「安定したキャッシュフロー(200万円~300万円/1棟)」があり、かつ出口戦略も取りやすい。

 

特に橋本は、時間がたてばたつほど土地価格が上昇は期待でき、リニアモーターカーが開通する2027年には残債も約半分となっている。

 

都内は、オリンピックを越えると上昇の余地が限られてしまうかもしれないが、それでも海外と比較すれば利回りも高い方だし、仮に売却できなくても、「よほどの借入金利上昇」か「家賃下落」がない限りは、ある程度の安定したインカムゲインが狙える。売却は、正直いつでも良い。不動産はインカムゲインで勝負だ。

新築物件は、完成までの時間がネックだが…

何と言っても建物完成までの資金力が必要だ。土地をローンで購入後、間取り・設備仕様決定⇒建築確認⇒着工⇒上棟⇒完成まで早くても6か月はかかる。その間に土地ローンの金利分を払い続けなくてはいけない。施工中は家賃収入が全く入らないので、キャッシュアウトオンリーだ。これが最大のデメリットだ。

 

このデメリットは、かなり致命的で、最初から土地を購入して新築を建築するやり方はおススメしない。以下のいずれかの条件がそろっていれば、1棟は新築を実践しろ!

 

①土地購入時点で、金融機関からオーバーローンを組める

②他の収入源があり、土地のローンがそれらと相殺される

 

①については、残念ながらオーバーローンを組めなかったので飛び道具で、日本政策金融公庫に融資を打診した。そして新築は建築業者に「着工金」「上棟金」「完成金」など、複数回の支払が必要になる。

 

金融機関によっては、「土地の融資」のあと、「建物完成時」にしか融資をしないところもある。融資を受ける際にあらかじめ確認しておかないと、痛い目に遭う。資金繰りがきつかったので、日本政策金融公庫に融資を打診して、何とか1000万円程度のつなぎ融資を受けることができた。

 

しかし、公庫は融資期間が10年程度、かつ第二抵当権を付けられるなどの条件が必要だった。それでも、事業を軌道に乗せるまでは、日本政策金融公庫は強い味方だ! 積極的に活用しろ!

 

この土地のローン支払い地獄を乗り越えれば、5~10年間の安定キャッシュが手に入る。以下、参考までに新築プロジェクトにより、取得した物件の概要、および反省点を簡単に紹介する。

理系サラリーマン大家が伝授する  不動産投資で不労所得1000万円を得る方法

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溝口 晴康

幻冬舎メディアコンサルティング

いまや大ブームとなった不動産投資。しかし初心者であれば、どんな物件を買うべきか、資金をどのように調達するのか、購入後はなにをすればよいのかなど、わからないことだらけ。しかし著者は、そこで、自ら不動産投資にチャレ…

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