設立30周年の節目を迎えたスリランカのコロンボ証券取引所(CSE)。かつての黄金期の再興を図るためには、どうすればよいのでしょうか。同証券取引所のトップであるヴァジラ・クラティラカ氏への特別インタビューの5回目は、証券会社の最低自己資本金制度について見ていきます。

キャパシティを超えた取引を禁じる方向

――業界としてはどう改善することができますか? 約10年前、中央銀行は政府債権を扱うディーラーに高い最低資本金を要求しました。このことは政府債券市場に好影響を与えました。ここから証券業界が学べることはありますか?

 

それが証券ライセンスに価値を付加するべきだという理由です。人々は価値のあるものに投資をしますし、もし資本金が集まらなければ売却するでしょう。こういう流れを起こしたいのです。

 

自己資本を増やすシステムを作るには、我々がクリアしなくてはいけないハードルがいくつかあります。一つ目は委託証拠金を設けることです。二つ目はリスクベースでの資本を積むことを証券会社に求めることで、このことはもうすぐ実施されます。

 

私たちが言いたいのは、十分な資本を用意できないのであれば、取引はその限度内に抑えなくてはいけないということです。つまり自分の能力を超えた取引を禁じることです。もし大証券会社になりたいのであれば、資本を集めなくてはいけませんし、それができないのであれば、小さいままでいなくてはなりません。

自己資本金に応じて証券会社をカテゴリー化

――これは証券会社にとって具体的にどういう意味を持ちますか?現在では最低自己資本金額は3500万スリランカ・ルピーだと認識していますが。

 

まずはそれを1億スリランカ・ルピーにして、徐々にそれを引き上げていくことを考えています。また証券取引業には経営計画を求めます。もしクレジットを高められないのであれば、証券の直接売買ができなくなります。売り手と買い手をつなぐローリスクでローコストのビジネスをするしかありません。

 

もし望むのであれば、1億スリランカ・ルピーや、2億スリランカ・ルピーといった求められる資本金を積まなくてはなりません。完全な証券会社であろうとすれば、最終的には5億スリランカ・ルピーが求められることになります。なので、全てはどういう立場に立ちたいかにかかっています。

 

――証券会社はこのメッセージをどう捉えるでしょうか? 1億スリランカ・ルピーという最低資本金は来年にも始まるのでしょうか?事業を続けるため、証券会社はいくらの資金が必要になるのでしょうか?

 

いくらかの最低資本金制度は導入されるでしょう。小さいままでいたいのであれば小さいままです。しかし少ない資本金ではビッグ・プレイヤーにはなれません。帳簿資産にリスク加重された評価が導入されれば、自動的にこうなります。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」に掲載した記事を、翻訳・編集したものです。

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