耕作放棄地や山林といった「困った土地」。本連載は、これらを太陽光発電システムの設置によって「収益を生む土地」に再生させた事例を紹介します。

高齢の母親が倒れ、世話ができなくなった田畑

この5月、千葉県山武市の現場でお客様に太陽光発電システムの引き渡しがあった。

 

今回設置場所となった山武市は千葉県の太平洋側にあり、日照条件も良く、太陽光発電にはとてもよい立地条件。弊社でも多くのお客様に太陽光発電システムを販売しているが、山武市ではシミュレーション以上の数値が出やすく、日射量の観測地点(横芝)よりも条件が良いことがわかる。

 

 

 

今回の依頼主は高齢の母親とその息子。元々は両親でいくつかの田んぼと畑を世話していたのだが、3年前にご主人が他界。その後、息子が勤めをしながら手伝っていたのだが、一昨年、母親が病に倒れた。その後復帰したものの以前のようには身体も動かず、昨年は田や畑の世話もままならない状態になっていたという。

 

 

[写真1]世話ができないために雑草が茂り、荒れてしまった農地

 

 

そんな中、知り合いから太陽光発電の話を聞き、この度の施工に至った。お二人の期待は大きい。それとともに昨今の個人農家の厳しい現実も教えてもらった。

太陽光パネルの設置で模索したい、農家の保護の可能性

1965年当時、1151万人いた農業人口も2015年にはわずか200万人。その内、65歳以上が全体の約65%、39歳以下が約7%。いわゆる後継者問題といわれるところへ、TPP、2018年の減反政策撤廃、また2022年問題と、個人農家の取り巻く環境は非常に厳しいものへとなっていく。

 

汚い・きついと決してイメージの良くない農業だが、一番の要因は収入ではないだろうか。今回の息子さんもとても農業だけでは生活していけないという。かといって農地は自由に手放す、つまり売る事すらできないのである。仕方なく放置するしかないのだが、そうするとあっという間に草が生え、地域によっては近隣の住民から苦情が来ることもある。

 

場所は違うが、通学路の側にある畑を同じように荒地にしていたところ、ある日役所の職員が来て、イノシシが巣を作ると子どもが危険なので、こちらで業者を紹介するから選んで下さいと言われたという。もちろん、費用は地主の負担となる。このような環境では益々農業人口が減り、それに伴い耕作放棄地も増えるのではないか。

 

 

今回のお二人の喜ぶ姿を見て、無作為にとは言わないが、いくつか持っている農地の一部に太陽光を設置し、収入を農業収入の補填とすることで、結果的に農家の保護、荒地の改善へとつながるのではないだろうか。

 

[写真2]設置された太陽光パネル

 

 

 

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