スリランカ株式市場に求められる大型の「IPO」

設立30周年の節目を迎えたスリランカのコロンボ証券取引所(CSE)。かつての黄金期の再興を図るためには、どうすればよいのでしょうか。同証券取引所のトップであるヴァジラ・クラティラカ氏への特別インタビューの4回目は、株式市場を活性化させる課題について見ていきます。

政府管理下の企業を上場させ、外国人投資家を呼び込む

――売買委託手数料の自由化についてはどうお考えですか?証券会社には拒否反応がありますが、投資家は望んでいます。

 

これは世界的なトレンドで、取引コストは低下しています。われわれはコスト削減を進めており、それを元に戻すのは最悪なことです。広い視点から取引量の増加に注目するべきで、もし日々の取引量が30億スリランカ・ルピーに増えたら、みんなが喜ぶことです。

 

――証券会社自身は何ができるのでしょうか。もっと進んでいるマーケットでは、証券会社は買値と売値の両方(ツー・ウェイ・クオート)を提示しています。スリランカはまだまだここから遠い位置にいるのでしょうか?

 

経済行政を担う者は、株式市場を経済拡大に不可欠なものとして認識しなくてはいけません。銀行業界では50%が政府管理下にあって上場しておらず、電力業界は全て政府管理下にあり、輸送業もほとんどがそうです。もし政府が協力をしてこれらの企業を上場しなければ、株式市場はスリランカ経済を反映していないことになりますし、市場の時価総額はインドと同水準である対GDP比の70パーセントに達しません。

 

もっと多くのセクターを反映することができれば、市場は経済のバロメーターになります。政府が管理しているこれらの公社のうちのいくらかを上場することができれば、市場全体が変化し、外国人投資家を新たに呼び込めて、市場に厚みをもたらすことができます。さらに政府は資金を手に入れることができるので、それを社会的なプロジェクトに使うことが可能となります。これは債券市場でも同じです。もし公社債や地方債が上場されれば、市場に厚みが増します。株式市場に変革をもたらすのは大型のIPO(Initial Public Offering)なのです。

 

大型のIPOは、新しいファンドマネージャーを惹きつけます。最近ではDialog and Lanka IOCが新たなファンドマネージャーを惹きつけました。マーク・モビアス氏は1994年に投資をしていましたが、最近、私が彼に営業をしたところ「一日300万か400万ドルの取引がない限り、私たちは投資をしない」と彼は断りました。そうだからこそ、彼は10億ドルのファンドを500億ドルに拡大させることができたのです。

 

世界は進歩しているのに私たちは立ち止まっています。テンプルトンはもっとも注目される新興市場ファンドですが、固定手数料のせいでスリランカには来られないのです。

 

――CSE(コロンボ証券取引所)のチェアマンとしてこの問題を解決できないのでしょうか?

 

私たちは政策決定をすることができませんので、政治家を動かしていく必要があります。選挙が終わり、我々は対話を始め、解決に向かって動いています。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」に掲載した記事を、翻訳・編集したものです。

「スリランカへGO」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

「海外メディア」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

連載コロンボ証券取引所のトップが語る「再興に向けた課題と展望」

『ECHELON(エシュロン)』は、スリランカの三大ビジネス誌のひとつ。著名な経営者・ビジネスパーソンのインタビュー記事から、同国の金融・経済・投資・不動産などの最新事情、ラグジュアリーなアイテムやライフスタイル等の記事を幅広く掲載。経営者層やハイクラスなビジネスパーソンなど、同国の物的・知的富裕層を多数読者に抱える。(写真はチェアマンのChanna De Silva氏)

著者紹介

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧