日本古来のすぐれた住宅・・・「徒然草」に学ぶ家造り

前回は、コスト高になっていないか、建築時に見極めたい「省エネ住宅」の可否を取り上げました。今回は、日本古来のすぐれた住宅について見ていきます。

兼好法師も記述・・・先人の知恵にはかなわない!?

いい家を建てるための必要条件をいろいろと書いてきましたが、昔の家造りにはかなわない、と感じることがあります。

 

兼好法師が14世紀にまとめた徒然草にも「家のつくりやうは夏をむねとすべし。冬はいかなるところにも住まる」とあるように、日本の住宅はいかに夏を涼しく過ごすかということに工夫を凝らしてきました。

 

たとえば、昔の家には土間がありますが、夏場に外の気温が30度あったとしても、土間の表面温度は15度くらいと非常に涼しく快適でした。軒も長く、部屋の中に日光が入らないので少々暗いですが、とても涼しかったのです。

 

今の家はとにかく軒を出さないように造られているので、窓から日光が入って床が熱せられ、それにより部屋も暖められてしまいます。さらに昔の家は床下や天井に空間が十分にとられ、風通しがよく、夏を涼しく過ごすための工夫が随所に施されていました。

現代の技術を駆使して、昔の家のありように近づけるか

また、風は通しつつ陽の光は入れない、すだれやよしずといった優れた道具もありました。現在は、陽を遮るのにグリーンカーテンなども使われ、通風できるシャッターなどもありますが、素材が鋼製やアルミといった金属のため、そこを通る空気も瞬間的に熱せられてしまうのです。夏場の暑さをしのぐのに、すだれやよしずに勝る道具はない、とつくづく思います。

 

いかに現代の技術を使って、昔の家のありように近づけるか。先人の知恵は現代の住宅にも広く応用されるべきだと思います。

 

一方、「冬はいかようにも住まる」ということで、冬は衣類を着込むなどして昔の人は過ごしていました。とくに住宅への防寒対策というものはなく、すき間だらけの昔の家は今よりも寒く冷えこんでいました。冬場の快適さ、暖かさは現代の住宅の方が上と言えるでしょう。

本連載は、2017年2月27日刊行の書籍『改訂版 いい家は注文住宅で建てる』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

「不動産」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

「国内不動産」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

連載「理想の家造り」のための注文住宅基礎知識

株式会社緑建設 代表取締役社長

1973年、神奈川県相模原市生まれ。
高校卒業後、小売業系の会社に就職。
その後商社への転職を経て、20歳の時に緑建設に入社。
父であり前社長の齋藤進氏の下で現場監督8年、営業職10年の下積み修業を経て、2011年より現職に就任。
1973年に創業した先代の、“家は「売る」ものではなく、お客様のこだわりを叶えるために「造る」もの”という姿勢を貫いている。
現職就任後は「いつでも真向勝負」をモットーに、外断熱工法の木造注文住宅に徹底してこだわり、お客様にとって「住み心地」のよい家の在り方を追求し続けている。

著者紹介

改訂版 いい家は注文住宅で建てる

改訂版 いい家は注文住宅で建てる

齋藤 正臣

幻冬舎メディアコンサルティング

人生で一番大きな買い物、「マイホーム」。理想のイメージばかりが先行して、見当違いな設計に後悔したり、不本意な金額を払ったりするハメに陥らないために、まずは住宅オーダーの基本を学びましょう。「よい見積り、悪い見積…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧